北海道の食と食に関する映画を同時に楽しむ「北海道フードフィルムフェスティバル(以下、HFFF)」が、2024年11月22日から24日(日)まで、札幌市内の映画館など約10ヵ所で始まった。映画とスペインバスク地方の美食を楽しむ「サン・セバチスチャン国際映画祭(以下、SSIFF)」を参考にしたもので、クリエイティブオフィスキュー(本社・札幌市中央区)や札幌市、北海道新聞社(同・同)が組織する実行委員会の主催。22日には、東1丁目劇場(大通東1丁目10)でオープニングイベントが行われた。(写真は、東1丁目劇場で行われたオープニングイベント)
この日、15時から始まったオープニングイベントには、約900人の観客が集まり、ジャズバンドによる演奏と映像で会場を盛り上げた後に、オフィシャルサポーターを務める演劇ユニットTEAM NACSの森崎博之さん、安田顕さん、大泉洋さん、音尾琢真さん(戸次重幸さんはこの日欠席)が登壇。続いて、HFFFで上映する映画の監督や俳優、さらに料理人や生産者など総勢約30人が舞台に勢揃いした。
(写真は、「毎年のように参加したい」と話した小林薫さん)
司会の森崎さんが登壇者を紹介、俳優の小雪さんは「映画を観た後の思い出づくりにフードが結び付いたら、記憶に残る。そういう機会が続いていったらいいなと思う」と挨拶。小林薫さんが、「これからも毎年のように参加したい」と話すと、大泉さんはすかさず「来年は小林さんに司会をしてもらいましょう」と会場を湧かせた。また、『しあわせのパン』の監督、三島有紀子さんは、「食、風土が揃っている北海道に世界中から来ていただいて、おいしい食とおいしい映画をたくさん見てもらったら良いなと思っています」と挨拶した。
主催者を代表して秋元克広・札幌市長は、「北海道は食の魅力に溢れている。食にまつわる映画を通じて食を楽しんでもらう、2つの魅力を掛け合わせたフェスティバルを開催できたことをうれしく思う。映画を観ながらいろんな店でシネマバルを楽しんでほしい」と述べた。来賓として参加した鈴木直道・北海道知事は、「映画とおいしい食には親和性がある。映画に出てきたおいしい食を味わっていただき、北海道を離れてからも北海道を思い出してほしい」と話した。
(写真は、実行委員長の伊藤さんとSSIFFジェネラルディレクターのホセ=ルイス・レボルディノスさん)
実行委員長でクリエイティブオフィスキュー社長の伊藤亜由美さんは、「SSIFFに出合って2019年に3作目の『空のレストラン』出展のために現地に行ったが、お客さまが映画を観た後にディナーをしたり、バル街に繰り出したりして、映画と食がマッチングしている素晴らしい体験をした。次の世代に、北海道の誇るべき食と映像がマッチングしたプラットフォームをつくりたいという思いで構想した。TEAM NACSが東京で映画やドラマ、舞台に立たせていただいて20年が経ち、彼らが、北海道で何かができたらいいなという思いもあった」とHFFF開催の動機を披露した。
HFFFは、SSIFFの特別協力も得ているため、SSIFFジェネラルディレクターのホセ=ルイス・レボルディノスさんも来道し、舞台でエールを送った。舞台では、伊藤さんが、HFFFとSSIFFの連携を要請する場面もあった。
(写真は、大泉さんと安住さんの「ずみずみトーク」)
その後、大泉さんとTBSアナウンサーの安住紳一郎さんが、「大泉・安住のずみずみトークショーをおみまいするぞー!」と名付けたトークショーを行い、バラエティ番組『ぴったんこカン・カン』で大泉さんとサン・セバンチャン国際映画祭に出向いた際のエピソードを語り合い、会場の笑いを誘った。
23日には、TOHOシネマズすすきので『探偵はBARにいる』を上映、その後、ストリームホテルでシネマディナーが開催され、大泉さんと小雪さんがトークショーを行う。24日には、東1丁目劇場でSSIFFカリナリー部門に出展した『北の食景』の上映と、出演している北海道の4人の料理人のコラボによるシネマディナーも行われる。また、同劇場ロビー会場では、「世界料理学会in HFFF」も開催される。期間中の上映作品は20作品以上で、食事とセットになったチケットも販売され、映画に関連した食を楽しむことができる。