苫小牧・植苗~千歳・泉沢結ぶ林間ルート「緑の回廊」に出現した異空間

社会・文化

 苫小牧市植苗から千歳市泉沢までを結ぶ10㎞足らずの道は、今の季節なら「緑の回廊」とも呼べるような林間ルートだ。そんなルートに、緑が消えてしまった広大な異空間が現れた。延々と続く、木々伐採の跡。寸断された「緑の回廊」が痛々しい。(写真は、苫小牧市植苗地区にある伐採地)

 この道は、苫小牧と千歳を結ぶ迂回ルートにもなっており、途中にはいくつものゴルフ場がある。直線と直角に曲がるカーブを組み合わせた道の両側には緑が生い茂り、木々に覆われて日中でも薄暗いところがある。「緑の回廊」と呼ぶにふさわしい林間コースを走っているだけでも、心の安らぎが感じられる。
 そんな「緑の回廊」に、突如現れたのが、木々を伐採した左右非対称の異空間。道沿いに延々と続くこの異空間は、7万㎡にも達しそうな広さがある。実は、「緑の回廊」沿いには、ところどころに太陽光パネルが設置された場所や畑作地など、木々が伐採された空間がある。しかし、どれもが道から奥まった場所にあって、道沿いには木々を残し景観への配慮がなされている。それに比べて、今回現れた異空間は、道沿いまで躊躇なく木々が伐採されている。

 この異空間が、どうなるのかは分からない。しかし、ここまで木々を伐採するには、強い意志が働いているのだろう。寸断されてしまった「緑の回廊」が、再び元に戻ることはあるのだろうか。心が安らぐ素敵な道はそうそうない。

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