日本最東端のラブホがひっそり閉鎖、半島の荒涼感いや増す

社会・文化

 北海道の景観の中でも最果ての情感を醸し出している根室半島。半島を一周する道道35号線(根室半島線)は、小さなアップダウンが続き、冬の季節は茶色の雑草に覆われる。そんな原野に建っている、日本最東端のレジャーホテル(ラブホテル)「HOTEL CASA NEMURO」が今年、閉鎖された。あたりの荒涼感は一段と際立っている。(写真は、今年閉鎖された「HOTEL CASA NEMURO」)

 このホテルが建っているのは、根室半島北側の付け根に近い牧の内106-6。根室湾を望む場所に建っており、平屋で横長のポツンと佇む建物は、周囲に溶け込んでいる。部屋数は8室、ガレージタイプのホテルで、根室港に沈む夕陽を眺めることができる部屋もあるという。いつ頃から営業を始めたのかは定かではないが、20年近くが経過しているような存在感がある。

 そのホテルが今年、閉鎖された。根室市の事情通は「市内には2軒のラブホがありましたが、このホテルの閉鎖によって1軒だけになってしまいました。ロケーション的にも最高の立地なので、何とか再開してほしい」と話している。
 望遠レンズで覗いたホテルは、根室湾の白波、荒涼とした原野、雪がうっすらと積もった道道と溶けあっている。使われなくなった建物は、氷点下の中で年の瀬を迎える。

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