札幌の都心にある市民の憩いの場、中島公園。今は銀杏の葉が黄金色に輝き絶景を見せている。そんな中島公園に静かに佇むのが、札幌コンサートホールkitara。そのkitaraではある問題が浮上している。観客の転倒事故だ。(写真は、kitaraの大ホール)

 1997年7月にオープンしたkitaraは、札幌市が190億円を投じて建設した北海道初の音楽専用ホール。建物の壁は総ガラス張りで、大理石で造られたロビーの床には、美唄市出身の彫刻家、安田侃氏の作品が設置されている。

 アリーナ型の大ホールの天井には、シャンデリアとともに巨大な音響反射板が吊り下げられ、客室や壁面は、北海道木材を使用して曲線状に設えられている。最新の音響設計技術から導かれたフォルムは、北海道の大地とそこに立つ針葉樹をイメージさせている。

 客席は3階席まであり全2008席。1階は階段が多くないが、2階、3階の席に行くには階段を利用しなければならない。階段数が1階よりも多い上に傾斜がきつく、階段途中には席に移動するために幅広になっている箇所もある。また、音楽専用ホールということもあって階段には手擦りがない。このため、観客の転倒事故がたびたび起きている。階段で転倒した人は、起き上がることができないほどの衝撃を受け、係員に担架で運ばれるケースもある。

 kitaraがオープンした当初から親しんできた人たちも、高齢になって、かつてのように階段を上り下りすることは困難になってきた。バリアフリーが常識とされる中で、kitaraは音楽専用ホールとの兼ね合いからバリアフリーとは遠い存在になりつつある。何らかの対策を講じなければならない時期に来ている。


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