1980年代から90年代に若者たちが熱中したゲーセン(ゲームセンター)。そこで使用されていたアーケードゲーム(業務用ゲーム機)やゲーム基板、ポスター、雑誌、レコードなど懐かしいグッズを紹介する「小樽・札幌ゲーセン物語展」が3月26日まで市立小樽文学館で開催されている。(写真は、実際に遊べるアーケードゲーム)
(会場には多くのゲーセングッズが展示されている=写真)

 失われつつあるかつてのゲーセンの文化を記録し伝えていこうとこの展示会を企画したのは、ゲーム愛好者の藤井昌樹さん(51)。「往時のゲーセンは消えようとしているが、ゲームを楽しんできた一人ひとりに物語があるはず。そうした思い出なども紹介したい」と話す。

「小樽・札幌ゲーセン物語展」の会場には、年代物のアーケードゲームが置かれ実際に遊ぶこともできる。複数のゲーム基板を週替わりで交換し、「ミュータントナイト」、「鋼鉄要塞シュトラール」など90年代のゲームを無料で楽しめる。また、ゲーセンに掲示されていたポスターやチラシ、パンフレット、雑誌などの紙媒体の他にゲーム音楽のCDやレコード、利用者同士のコミュニケーションのために使っていたゲーセンノートも置かれている。展示スペースは狭いが、ほの暗い空間はかつてのゲーセンを彷彿させる。

 ゲーム機や基板など展示物の多くは、札幌圏内に住むゲーム愛好家6人が私蔵品を提供、藤井さんもコレクションを出した。実際に遊べるゲーム基板は、倒産した栃木県のゲームソフト開発会社のもので、ゲームの権利を取得したハムスターの許可を得て展示。「地方の文学館がメーカーの了解を受けて展示するのは、かなり画期的なこと」と藤井さんは言う。

 藤井さんは企画展と連動した取り組みとして、小樽と札幌にかつて存在したゲーセンの情報を収集するサイト「札幌・小樽のゲーセン情報リスト」も運営している。多くの情報が寄せられ、1月現在までに札幌市に181件、小樽市に15件のゲーセンがあったことが分かったが、現役店舗は数えるほどしかない。

「テレビゲームは40年以上の歴史があるのに、ネットで集めることのできる情報は断片的。ゲーセンの情報や文化を記録として残していかなければ時代の流れと共に消えていく。そうした状況をフォローしていく一つの手段がミュージアムである文学館です。ゲームやゲーセンの文化を伝えていくため小樽以外の地域でも展示会を開きたい」と藤井さんは意欲的。企画展は3月26日まで、入場無料。問い合わせは同文学館(☎0134・32・2388)へ。



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