「ラウンドワン札幌すすきの店」が入る札幌東宝公楽ビル(札幌市中央区南5西3)の地下1階を巡る攻防が、水面下で繰り広げられている。ナイトクラブの撤退、参入を巡る駆け引きのことで、東京勢力の参入を食い止めようとする地場勢力と東京勢力を参入させたい大阪のイベント企画会社など、それぞれの思惑が渦巻いた乱気流の様相となっている。(写真は、札幌東宝公楽ビルの「JINXS」の看板)
札幌東宝公楽ビルが建て替えられて新築されたのは2015年12月。メインテナントは「ラウンドワン」だが、地下1階には東京勢力のクラブ「JINXS」が出店している。200坪近いフロアを持つが札幌での営業展開に苦戦。当初は10年契約だったが、5年契約に変更して今年末には撤退する見通しとなっている。
その空きフロアを巡って繰り広げられているのが、クラブの東京勢力VS.地場勢力の戦い。東京勢力で参入を目指しているのが「V2」。この「V2」、東京で成功を収めているクラブとして知られ、札幌ススキノに参入すれば成功間違いなしと言われている。そんな有力クラブがススキノに出店されると商売に影響するため、阻止したいのが地元勢力。
地元勢力とは、「リビエラ」と「キングムー」。「キングムー」は東京資本だが、ススキノのクラブとして一定のシェアを確保しており、仮に「V2」が参入すれば「JINXS」で保たれていた均衡が崩れる。また、「リビエラ」は生粋の地場勢力だが、やはり「V2」参入は阻止したい。そこで両者は共闘して「V2」の参入阻止に動いているというわけ。
一方、「V2」は大阪本拠のイベント企画会社トライハードの後押しを受け、「JINXS」の後継クラブとして参入に意欲的とされる。トライハードは、クラブのイベント企画で実績があり、集客力のある有名タレントをクラブに送り込むことに長けている。「V2」とトライハードは最強タッグでススキノ進出を狙っている。
最終的に大家である東宝公楽がどちらの勢力と賃貸借契約を結ぶかにかかっているが、水面下の攻防がどういう結末を迎えるのか、ススキノのちょっとした話題になっている。