法学部の大学生や法科大学院の学生を対象にした「探偵インターンシップ」が道内で初めて開かれた。北海道大学や小樽商科大学、北海学園大学の学生ら7人が実際に探偵をしている講師から尾行と張り込みのポイントや隠しカメラの撮影体験、盗聴器発見体験などを行った。(写真は、探偵インターンシップで行われた盗聴器の発見体験)
この取り組みは、札幌市に本社を置く東証一部上場企業の法務部門責任者、久保智人氏が道内に企業法務を根付かせようと副業で起業した企業法務Matchingが主催。同Matchingは、道内大学の法学部や法科大学院の学生を対象に企業法務のインターンシップを今年から実施しているが、その一環として2日間の探偵イターンシップを10月5日と12日に行った。
企業法務には企業の採用調査やコンプライアンス調査など、探偵業務との接点が多い。同Matchingは、一般社団法人全日本総合調査業協会(本部・札幌市中央区)と協定を締結、北海道で若手探偵候補者の育成事業を始める一環として「探偵インターンシップ」を始めた。既に同Matchingと提携している探偵会社、アイヴィ・サービス(本社・札幌市中央区)及びさくら幸子探偵学校を運営するアイ・アイ・エス(同・同)が「インターンシップ」の実務を行った。
講師は探偵歴7年の半澤知也氏が担当。学生らを相手に「調査員が尾行のポイントにしているのは対象者の靴」、「対象者の背中を見て尾行する」などプロの視点を披露。隠しカメラの撮影体験では、バッグの中に忍ばせた小型カメラを使って動画をスマートフォンに転送する方法などを紹介、電界強度計で小型盗聴器の発見する体験なども行われた。
半澤氏は、「探偵には幅広い知識が必要。いざというときに証拠となる写真の撮影や音声の録音を失敗せずに行うためにもカメラや盗聴器の仕組みも知っておかなければなりませんから」と言う。一眼レフカメラで撮影したことがない学生もいて、興味深そうに聞き入っていた。