「企業法務Matching」(札幌市北区)の事業を展開している久保智人氏は、このほど一般社団法人全日本総合調査業協会(本部・札幌市中央区)との間で協定を締結、北海道で若手探偵候補者の育成事業を始める。「職人技術」とされる探偵業界の担い手不足や高齢化に対応、育成研修を実施して法学部卒業生やロースクール卒業生への新たな働き先として提案する。(写真は、企業法務Matchingと一般社団法人全日本総合調査業協会の協定締結式。左から、田代耕平・一般社団法人全日本総合調査業協会副会長・札幌総合法律事務所所属弁護士、松本耕二・一般社団法人全日本総合調査業協会代表、久保智人・企業法務Matching代表=企業法務Matching提供)

 企業法務Matchingは、今年から法学部やロースクールの学生を対象に企業法務の「リーガルインターンシップ」を実施している。今年はサツドラホールディングス(本社・札幌市北区)の協力を得て、社内などで約1ヵ月間、テキストを使って5項目50カリキュラムに及ぶ企業法務の実務を体験。現在、北海道大学や小樽商科大学、北海学園大学などから8人が参加している。

 この「リーガルインターンシップ」に続き、取り組むのが「探偵インターンシップ」による若手探偵候補者の育成事業。警察庁がまとめた2017年度の「探偵業の概況」によると全国で約5000社があり、そのうち80%が個人事業主で会社組織の探偵事務所は約1000社。しかし、その大半は新卒採用をしておらず、専門の教育機関もないため高齢化が進み担い手不足に陥っているという。

 こうした背景から企業法務Matchingは、全日本総合調査業協会と協定を締結、若手探偵候補者育成事業として「探偵インターンシップ」をスタートすることにした。既に企業法務Matchingと提携している探偵会社のアイヴィ・サービス(本社・札幌市中央区)及びさくら幸子探偵学校を運営するアイ・アイ・エス(同・同)が「インターンシップ」の実務を行い、調査業の概念と歴史、調査の種類、調査員の待遇、探偵業法のほか事例紹介、尾行体験、盗聴器発見体験、指紋採取体験などを2日間実施する。

 当面は、「リーガルインターンシップ」の参加者に「探偵インターンシップ」への参加を呼びかけ、インターンシップを通じて学生の新たな働き方や働き口として提案する。2日間の受講後は、探偵として働くために必要な知識を習得した民間資格の受験や探偵職求人の広報もする考え。

 アイヴィ・サービスは札幌市に本社を置き、国内外18拠点を有する探偵会社。個人向けの調査や法人向けの採用調査、海外調査なども行い日本トップクラス。世界でも有数の探偵会社しか加盟できない世界探偵協会(WAD)に加盟しており、世界規模の調査も可能。



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