「アパマンショップ平岸駅前店」(札幌市豊平区)の除菌消臭スプレーガス爆発から1週間、負傷した50人を超える方々や住宅損壊の被害を受けた方々は年末年始という一年で最も密度の濃い日々をやるせない気持ちで過ごしておられるだろう。少しでも早く日常の生活に戻れるようにお祈りしたい。(写真は、アパマンショップ平岸駅前店の爆発から5日後の現場)
(爆発事故現場の向かいのマンションの窓はベニヤ板で代替されている=写真)

 偶発的とは言えない今回の事件で引き起こされた被害は想像以上に大きい。けがをした人は52人に及び、店舗やマンションの窓ガラス被害は少なくとも39棟以上、車両25台にも窓ガラスが割れるなどの被害が出た。一時通行止めによる店舗の売り上げ減少もある。隣接する「ロイヤルホスト」はベニヤ板で窓を補修しているがまだ営業再開ができない状態で、「ケンタッキーフライドチキン」の店舗も書き入れ時だけに影響は大きい。

「アパマンショップ平岸駅前店」は、東京証券取引所ジャスダック上場のアパマン(本社・東京都千代田区)の100%子会社アパマンショップリーシング(同・同)の全額出資子会社アパマンショップリーシング北海道(同・札幌市北区)が直営で運営する店舗。全国のアパマンブランドの多くの店舗はアパマン子会社、アパマンネットワークとフランチャイズ契約を行っている独立企業。これに対して、「アパマンショップ平岸駅前店」は孫会社とはいえ、アパマン直系の運営だ。

 店舗があった酒井ビルは、防火管理者未選任で消防計画未作成、漏電火災報知器未設置、避難器具未設置など消防法の適合状態は不適切と言わざるを得なかったビル。「アパマンショップ平岸駅前店」は、そのビルのテナントだったにしても、親会社は賃貸住宅の斡旋などを行う全国最大手。消防法に適合していないビルに入っていたのは、賃貸住宅の安全安心を提供する企業として本末転倒と言えないか。

 それ以上に、やはりアパマンのガバナンス(企業統治)の問題があったと言わざるを得ない。除菌消臭スプレーの未使用在庫は、氷山の一角かもしれない。そう疑われてもしようがないような異常な本数が今回見つかっている。影響は株価にも及び、年初来安値を更新するなど投資家の信頼も揺らいでいる。

 1999年10月、当時34歳でアパマンを創業した大村浩次社長(53)は、わずか19年で株式上場を果たし、年商規模416億円、従業員1000人を超える大企業に育て上げた。起業家として揺るぎない地位に上り詰めている大村社長は、今回の事件をどう認識しているのだろうか。大村社長の今後の行動にその答えがあるのだろう。


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