江別市の歴史的建造物、旧ヒダ煉瓦工場(東野幌町)を活用した食と観光の発信拠点『EBRI』(エブリ)に、飲食3店舗が入りきょう5日から新しいスタートを切った。主力テナントの「ベイクド・アルル」が今年2月に退店してから集客が鈍っていたが、テナントが満杯になり活気が戻りそうだ。(写真は、5日から飲食3店舗が本格営業を始めた『EBRI』)

『EBRI』は、1951年に建設されたヒダ煉瓦工場を再活用した施設。同工場は、77年に操業を停止し98年に廃業。その後も建物は残され、市が2000年に買い取った。活用策を検討していた市は、数年前に公募で商業施設設計のストアプロジェクト(本社・札幌市中央区)の提案を採用、2016年3月に『EBRI』がスタートした。

 江別の有名菓子店「ベイクド・アルル」がレストランや店舗を構えていたが、今年2月に退店。今回、8ヵ月ぶりにテナントスペースが埋まった。新店舗は、和食の『兎に角』、ピザを中心としたイタリアン『EBEZZA』、ラーメンなど中華の『menzo』の3店舗。

(写真は、日本料理店「兎に角」の添田司料理長=右)
『兎に角』はストアプロジェクトが運営する本格日本料理店。リーズナブルな価格で楽しめ、天ぷらが一押し。料理長は、ススキノの料理店から転じた添田司氏。座席数は小上がりを含めて42席。

(写真は、「EBEZZA」店舗)
『EBEZZA』は、ミシュランガイド東京に掲載されたオーガニックイタリアンの『パーレンテッシ』を監修した料理家の中野秀明氏がプロデュース。国産初の「PIZZAナポリターナSTG規格」に準拠した北海道産100%専用粉と道産のオーガニック素材を使い、江別のレンガ職人が作った2つの薪窯で焼き上げるピザがメイン。中野氏は、開店から3ヵ月間、この店の立ち上げを見守る。座席数は50席。

(写真は、「menzo」店舗)
『menzo』は、9月15日からプレオープンしており、赤味噌や白味噌、炙り出し醤油、炙り出し味噌の各ラーメンを提供、5日のグランドオープン後は「江別のヘルシー野菜白湯麺」と「飲茶」が加わる。45席。

 建物を市から賃借して『EBRI』を運営するストアプロジェクトの間宮明雄社長は、「懐かしさと新しさが同居した路地裏のような商店街が誕生した。江別の食材をその場で味わえる飲食店舗が揃ったので、江別の食と観光の発信拠点を目指したい」と話している。



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