北海道環境バイオセクター(本社・札幌市中央区)は、酵母菌を成分とした独自開発のバイオ技術でヒトデを分解、抽出したエキスを利用した釣り用商品の販売を始めた。針やルアーに塗るだけで魚を引き寄せる発光塗料と餌の鮮度を長時間保つ鮮度保持剤、魚の臭いを綺麗に洗い流せる消臭洗剤の3種類で、北海道・東北の釣り具卸などに供給している。P1080965(写真は、魚を引き寄せる発光剤などの効能をアピールする三國康二代表取締役)

 北海道環境バイオセクターは、酵母菌を成分としたバイオ資材「菌392」を独自に開発、食品加工場や畜産農家から排出される廃棄物を完熟型の堆肥にすることに成功。この「菌392」を利用した廃棄物処理の副産物を有効利用する取り組みも進めている。
 オホーツク海沿岸の漁業者たちの悩みになっていたのがヒトデ。ホタテの稚貝を食べるなどして漁業被害が発生、ヒトデを捕獲しても焼却処分するか土中に埋めるしか処理方法がなかった。
 
 ヒトデにはある毒素が含まれているため酵母菌では分解できないとされていたが、道環境バイオクセクターは北海道立総合研究機構工業試験場と協力して「392」を使ってバイオ処理、堆肥化することに成功した。この成分が入った堆肥は農作物の成長を早めたり、害虫などが寄り付かず作物の実が大きくなったりするほか、寒冷期でも菌の効果が衰えないことも分かった。
 
 ヒトデを分解した成分から抽出したエキスを粉末状にしたものは、消臭効果があるほかサポニンも含まれているため人には見えない波長の光を出す特性によってカラスが嫌がる忌避効果もある。既にこの分野ではカラス忌避用の商品としてホームセンターなどで販売されているほか、ワイン醸造所でのカラス被害防止用に実用化されている。
 
 こうした発光作用は魚類の集魚効果もあるとして、今回釣り用に商品化、北海道・東北の釣り具卸会社向けに販売を始めた。ルアーや針、錘(おもり)などに塗って魚を呼び寄せる塗料「フラッシング」、釣りの準備段階で漬けエサや撒きエサに吹きかけたり漬けておくことでエサの鮮度を長時間保つとともにエサ喰いを向上させる集魚効果があるエキス「八重桜」、さらに道環境バイオセクターの独自酵素「エンザイム392」にヤシ油カリ石鹸を混合して作った石鹸洗剤「我樹丸」の3種。内容量5ccから500ccまで内容量によってシリーズ化している。価格は1200円から。オール500円のお試しセットもある。商品の詳細は、http://www.kankyo-v.co.jp/fishing/
 

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