札幌市東区東苗穂にある天然温泉「千の湯」が3月31日午後12時で完全閉湯した。併設しているレジャー施設やカラオケ施設も同時に完全閉店、惜しむお客らで終日賑わった。「千の湯」には、平日としては異例の2000人以上が訪れたという。(写真は、3月31日に完全閉湯した千の湯)
この施設は、イオン北海道の前身、北海道ニチイが1991年に「東苗穂サティ」としてオープンさせた元総合スーパー(GMS)。2005年にGMSは閉店し、カラオケの「キャッツアイ」で知られるアミューズメント運営会社、北東商事(本社・札幌市豊平区)のレジャー施設「レジャスポ・ビッグ東苗穂店」、「キャッツアイ・ビッグ東苗穂店」、「東苗穂温泉・千の湯」が営業を始めた。
しかし、昨年夏に施設の所有者が北海道ニチイ時代の北海道ショッピングセンター(本社・札幌市中央区)からイオン北海道(本社・札幌市白石区)に代わり、同社は昨年末、三井住友ファイナンス&リース(本社・東京都千代田区)に施設を丸ごと売却。同社はスクラップ&ビルドで新しい商業施設を建設することを決めていた。
このため、「千の湯」などの施設は31日をもってクローズすることになったもので、今月に入ってからは、閉湯、閉店を惜しむお客がひっきりなしに詰めかけた。
「千の湯」支配人の鶴田浩志さんは、「先週から毎日2000人以上の方が見えています。常連さんからは『お元気でね』と声を掛けられることも多くて本当に愛されていた施設だと実感しました。10年間多少なりとも地域に貢献できたかなと思っています」と話した。
施設は4月から解体工事が始まり、7月からホームセンター「DCMホーマック」の店舗建設などが進む予定になっている。オープンは今年の12月が計画されている。