網走市の「博物館網走監獄」に保存されている旧網走監獄と旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所が近く重要文化財に指定されることになった。道東の道産木材を使った建築物の重文指定は初めてで全国、海外含めて観光客の入り込みの追い風になると市や観光関係者は期待している。P1080592(写真は、重要文化財に指定される旧網走監獄の庁舎)

 重文指定されるのは旧網走監獄のうち、五翼放射状平屋舎房(5方向に伸びる受刑者居室)とその内部の中央見張り所、庁舎、教誨(きょうかい)堂。また、旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所は農園を含んだ庁舎や舎房、炊事場などからなる建物群。いずれも2006年に国の登録有形文化財に指定されていた。
 
 施設のある「博物館網走監獄」は、公益財団法人網走監獄保存財団が所有運営している。初代理事長は、網走新聞オーナーだった佐藤久氏。1973年に網走刑務所の全面改築が始まったのを機に、市民有志らが明治期に建てられた刑務所施設を保存すべきと考え、佐藤氏が中心になって80年に財団が設立され83年に開館した。もっとも、建物の移築や復元のために9億円の資金を財団が借り入れるため佐藤氏は借入金の個人保証をするなど人知れぬ苦労があったという。
 
 刑務所施設を博物館にしようという佐藤氏の発想と行動がなければ現在の『博物館網走監獄』はなかった。当時、海のものとも山のものとも分からないことに金融機関も資金を貸し付けた。40年前の網走経済界の決断と行動が現在の網走の観光発展に繋がっている。
 
 今回の重文指定は3年越しで博物館明治村(愛知県犬山市)や北海道大学名誉教授の角幸博氏(建築史学)の指導を受けるなどして体制を固めてきた。網走監獄保存財団の鈴木雅宣理事長は、「重文指定が目標ではなく本物の博物館として認知されるように運営していきたい。北海道の博物館の先駆者として進化していきたい」と話している。
 なお、道東の建築物の重文指定には厚岸町の正行寺本堂があるが、これは新潟県糸魚川市の満長寺本堂から明治期に移築されたもので道産木材を使用しているということでは旧網走監獄が道東初となる。


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