11月5日に発生した札幌ススキノにある「プリンス会館」(南7西4)の火災を踏まえ、札幌市消防局や道警などで組織する「ススキノ地区雑居ビル等安全安心対策連絡協議会」は、11日からススキノ地区飲食店を対象に抜き打ちの緊急・夜間立ち入り検査を始めた。例年は忘年会シーズンに入る前の11月下旬から始めるが今年は5日の火災を受けて2週間ほど早くスタートさせた。(写真は、ススキノ交番前に集まった参加機関42人)
11日午後5時半にススキノ交番前に市消防局や道警、市都市局、中央区保健福祉部から合計42人が集まり6班に分かれて雑居ビル27棟を午後9時まで検査した。避難階段や廊下などの避難設備や自動火災報知機など警報設備、店舗の届出許可状況などにポイントを絞った無通告の抜き打ち検査で、検査員たちは通路に物が放置されていたり商品が陳列されていたりすると「片づけてください」などその場で改善を求めたりした。
検査結果は、廊下・階段等に物が置かれていたのは24棟で自動火災報知機の不備が1棟、非常用照明等設備不備が3棟、避難階段の不備が2棟など消防法による命令1件を除いて即日是正された。
同協議会会長の市消防局佐藤賢一予防部長は、「立ち入り検査27棟のうち24棟で不備が見受けられた。5日にススキノ地区で火災が発生したにもかかわらずこのような結果となり非常に残念。今後も法令違反については関係者に対し厳正に是正指導を行い、早期に改善させ施設の防火安全対策の徹底を図っていきます」とコメントした。
緊急・夜間立ち入り検査は12月5日まで行われる。ススキノ地区雑居ビル等安全安心対策連絡協議会は、2008年4月28日に発生したススキノ特殊浴場火災を契機に消防局、市、道警などによって設置された。