北海道日本ハムファイターズ(本社・札幌市豊平区、以下、ファイターズ)の親会社、日本ハム(本社・大阪市北区)はファイターズと協働体制でタスクフォースを設置、札幌ドームに変わる新球場建設構想に関する具体的な調査・検討を開始する。ファイターズの札幌ドーム移転が浮上してから7ヵ月、親会社日ハムの意向が焦点になっていたが、ファイターズと協働体制を取ることが明らかになり新球場建設がようやく具体化することになる。IMG_9926(写真は、札幌ドーム)

 ファイターズは、札幌市が所有し第3セクターの札幌ドームが運営する札幌ドームの野球場としての使い勝手の悪さや、ドーム内での営業活動の制限などから今年5月、新球場建設も選択肢という考えを明らかにした。
 ファイターズが札幌ドームを2004年に本拠地として以降、市とファイターズは必ずしも良好な関係とは言えなかった。
 その原因には諸説あるが、ファイターズが有力だった埼玉西武ライオンズに代わり、札幌ドームを本拠地とする決断をした当時の経営姿勢が徐々に変化してきたことに由来していると見られる。

 移転問題が浮上した当初は、秋元克広市長も移転を是認するような発言をしていたが、その後は残留に向けて使い勝手の改善にも言及、引き留めに舵を切った。しかし5月以降、ファイターズの真意が見えずドーム問題は漂流。

 膠着状態を打開するために秋元市長はファイターズ、コンサドーレ、札幌ドームによる4者協議を提案、ファイターズの真意を探る場を設定した。12月3日、ドームで四者協議が行われ、その席でファイターズの島田利正球団社長は、ドームが野球専用球場になっても残らない姿勢を示し、ファイターズの本拠地移転が四者で確認された。ただ、その中で不透明だったのが親会社日ハムの姿勢。新球場建設には500億円とも600億円ともされる建設費がかかり、とてもファイターズ単独では無理。日ハムの協力がなければ実現しないと見られていたからだ。
 
 日ハムの末澤壽一社長は11月20日札幌の駅前通で開催された優勝パレードに参加、沿道をゆっくりと進む車に秋元市長と同乗、その際も新球場に関する話は一切なかったという。
 
 今回、親会社日ハムの姿勢が明らかになったことで新球場建設が具体化していくことになる。市は四者協議終了後に移転は不可避と見て新球場建設の協力体制を敷くことにした。今後は候補地を巡り札幌市、北広島市などの自治体間競争が白熱していきそうだ。


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