北方ジャーナル2024年11月号発売! 今月のトップ記事は「旭川少女いじめ凍死事件の深層 メディアの誤報と行政の隠蔽」

マスコミ

「北方ジャーナル」2024年11月号が、今日から店頭に並んだ。今月のトップは、本誌独占スクープ「旭川・女子中学生いじめ凍死事件の深層」だ。雪解けが始まったばかりの公園で見つかった女の子の遺体──。3年前の初春に起きたこの痛ましい事件は、大手メディアのオンライン報道や旭川市が再調査を手がけたことで全国的に注目を浴びた。だが、この事件をめぐる報道に多くの誤りがあったことを、ほかならぬ同市自身が認定していた事実はあまり知られていない。これらは、最初の調査報告書で詳細に指摘されたが、公表にあたり全て黒塗り処理されたからだ。メディアの誤報と行政の隠蔽がもたらした深刻な二次被害とは──。(画像は、北方ジャーナル11月号の表紙)

 こちらのスクープにも注目だ。昨年、開院40周年を迎えた精神科専門病院、社会医療法人共栄会 札幌トロイカ病院(札幌市白石区・有田矩明理事長)で、長年にわたり診療報酬の不正請求が続けられてきた疑いが浮上した。複数の関係者が「デイ・ナイトケアの実施時間が算定基準を満たしていないにもかかわらず、時間を偽り請求している」と証言し、入手した関係書類からも不正が日常的に行なわれていることが強く疑われる。419病床という精神科領域における道内有数規模の病院で、いったい何が起きているのか。

「ここで諦めては息子が報われない」と、その母親は訴える。3年前の春に北海道立江差高等看護学院で表面化した、教員による日常的なパワーハラスメント問題がひとつの節目を迎えたことを報告したい。一連の事案の中でも最悪の被害といえる在学生の自殺問題が、紆余曲折の挙句に法廷へ持ち込まれることとなった。第三者調査を受けて謝罪した道のその後の「手のひら返し」は、遺族にとっては提訴を促す挑発に等しかったという。即ち「道が裁判を望んだ」と。

 自衛隊のパワハラ問題の一端が垣間見えるニュースだ。所属部隊のパワーハラスメント問題を告発したら、通報内容が部隊に筒抜けになった。理不尽な被害を受けた現職自衛官の男性が、組織に籍を置いたまま自衛隊を訴える裁判を起こした。匿名の告発人は職場の“犯人捜し”の標的となり、当時の上官から「通報はテロ行為」などの暴言を受けたという。法廷では、被告の国がそれらの暴言や不利益な取り扱いの多くを認める異例の展開に。この秋に幕を開けた裁判で、組織の不正隠蔽疑いはどこまで断罪されることになるのか──。

 全国各地で今、PFAS(ピーファス)と総称される化学物質がもたらす水道水や食品などへの汚染が問題視されている。体内に取り込まれると血液に溶けやすく、排出されにくい特徴があり、脂質異常症や発癌などの健康被害をもたらすことも。今回のレポートでは、千歳市に進出する次世代半導体工場「ラピダス」をめぐり、住民らの間から工場用水や製造過程で生じる排水などに含まれるPFASの影響を危惧する声を紹介する。将来に禍根を残さぬため、この問題をどう向き合っていけばいいのか。

 今月の「シリーズ・住宅不動産情報」では、道が9月17日に発表した2024年度の道内基準地価に注目。道内の住宅地725地点、商業地255地点、工業地15地点、林地18地点、計1013地点で7月1日現在の価格を調査したもので、林地を除く全用途の平均変動率は昨年より0・4%高い4万8200円(1㎡当たり)となった。千歳市では住宅地、商業地とも上昇し、札幌市は建築費の高騰で伸びが鈍化した今年の道内基準地価。そこから見える3極化とは。

 このほか「レプリコンワクチン接種」について警鐘を鳴らした緊急提言、「仁木町の官製談合疑惑に新展開」と題した地域レポート、4期目に乗り出した岩見沢・松野哲市長や北海道信用金庫協会の新会長・原田直彦氏へのインタビューも要チェック。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル11月号のお買い求めは離島の方も都会の方も、お近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※11月号主要コンテンツ
【報道】
◾️「旭川・女子中学生いじめ凍死事件」の深層──“盛られた事実”の拡散と隠蔽で起きた「二次被害」
◾️札幌トロイカ病院に浮上した不正請求疑惑を追う──「不正算定の舞台はデイ・ナイトケア」
◾️告発・絶望の学府(33)──江差看護・最悪の被害で国賠提訴 遺族「道に裁判を強制された思い」
◾️もの言う自衛官 法廷へ──現職自衛官が陸自に損賠請求 パワハラ告発、上官に筒抜け
◾️首相批判封殺の波紋(30)──「排除は違法」で問われる責任 野次国賠敗訴の道が要請黙殺
◾️道警不祥事から考える(72)──パワハラ 5年で倍増 処分は相談数の1割余
◾️「ラピダス」と化学物質・PFASとの関係──経済発展と環境保全の両立を目指した対策を
◾️仁木町の官製談合疑惑に新展開──実名を出して憤る地元住民 議会では追及の新たな動き

【緊急提言】──あかりみらい代表取締役 越智文雄氏
◾️レプリコンワクチン接種の一時中止を―製薬会社社員が売りたくないと内部告発―

【衆院選】──社民党公認候補として衆院選の出馬を決めた鳴海一芳氏に訊く
◾️「自公政治」と訣別するために今回の選挙で風穴を開けたい

【シリーズ・住宅不動産情報】(24)──2024年度道内基準地価から見える3極化
■住宅地、商業地とも上昇の千歳市 札幌市は建築費の高騰で伸び鈍化

【介護】──つしま医療福祉グループの対馬徳昭代表が「ケアテックス札幌24」で講演
■地方の介護施設が生き残るため必要な「選択と集中」とは何か

【経済】──北海道信用金庫協会の新会長・原田直彦氏に訊く
■行動する「北信協」として道内金庫の底力を高める

【文化】──新千歳空港国際アニメーション映画祭は今年11回目
■地元北海道ゆかりの作品紹介に力を入れ、地域密着の映画祭に

【人物】──劇団うみねこ元代表・吉川勝彦さんに訊く(後篇)
◾️時代や環境が変わっても変わらない芝居への情熱

【行政】──4期目の当選を決めた松野哲・岩見沢市長に訊く
◾️統合による新病院開業で市民の生命と健康を守る

【企業】──ふるさとに感謝を伝える取り組みに注力
◾️道民・地域に支えられて育った〝サッポロ クラシック〟ブランド

【企業】──自然由来化粧品のサボン・デ・シエスタ
◾️ビジネスの核は自然との共生 創業20年を前に「大人の学校」

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(110)──北見市の新たな支援から【後編】
●戦争遺産をめぐる旅(107)──10万人が犠牲になった惨禍を伝える「東京大空襲・戦災資料センター」

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