「北方ジャーナル」2024年8月号が今日15日から店頭に並んだ。今月のトップは、本誌独占「恵庭・虐待被害者が語った“奴隷牧場”」だ。昨年6月に伝わった、恵庭市の牧場での障碍者虐待疑い。長期間の「奴隷労働」や年金詐取の被害を訴え、牧場関係者などに損害賠償を求める裁判を起こした当事者が6月下旬、提訴後初めて本誌などの取材に応じ、その胸中を語った。直近の口頭弁論に足を運び、傍聴席から被告らの姿を眼にした時の思いは「もう悪いことして欲しくない」。長く続いたプレハブ生活を振り返っては「自由が欲しかった」という。(画像は、北方ジャーナル8月号の表紙)
6月号で第1報を掲載した「中和興産に浮上した不正受給疑惑を追う」の続報にも注目だ。既報のように5月24日の札幌市による「ちゅうわ南保育園」(南区)への事業停止命令を皮切りに、同社が運営する市内5ヵ所の保育所が次々に事業を停止した。6月初旬には全てが休園するという前代未聞の事態が発生した。関係者に大きな混乱をもたらした中和興産に対し、同市が「認可取り消し」のカウントダウンに入っていることが分かった。そのような中で問題の「専務理事」は、全く反省の色が見られない自分勝手な主張を展開。本人がインスタグラムのライブ配信で語った内容とは──。
銃所持許可取り消しの決定時から数えると足かけ7年の闘い。苦笑混じりに漏れた一言は「とにかく長かった」。地元自治体の要請でヒグマを駆除し、法令違反に問われて猟銃を差し押さえられた砂川のハンターは、道公安委員会を訴えた裁判を4年間にわたって争い続けなくてはならなかった。命がけの公益活動の担い手を犯罪者扱いする処分が正当化されては、誰も銃を撃てなくなる──。各地のハンターが注目する裁判は先頃結審し、判決は10月中旬に言い渡される。
今月の「シリーズ・住宅不動産情報」では、底堅い札幌中心部の中型・小型不動産開発を取り上げた。札幌市の中心部では再開発事業や大型ビルの建て替えが進み、街並みが大きく変わろうとしている。街の顔とも呼べるこうした大規模な不動産開発は人目を引く派手さがあるが、あまり目立たない中型・小型の不動産開発も底堅く進んでいる。大型物件ばかりに焦点が当たりがちだが、実はこうした中小物件の動きこそ本当の意味で街の活力を示すバロメーターと言える。足で稼いで見つけた中小の不動産開発をレポートする。
このほか、本誌で3年前から報告を続けている不起訴事件の黙秘権侵害・私物検閲問題で、札幌の女性が地元警察を訴えた裁判が佳境を迎えた詳報をはじめ、一般社団法人 学校地域協働センター「ラポールくしろ」と釧路市ビジネスサポートセンター」(k-Biz)の取り組みを通して新たな「人づくり」と「企業づくり」を追ったレポートもオススメ。森山病院(旭川)の「ロービジョンケア」の取り組みも要チェック。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル8月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。
※8月号主要コンテンツ
【報道】
◾️告発・陸の蟹工船(6)──恵庭・虐待被害者が語る“奴隷牧場”「もう悪いことしないで」
◾️狩人、銃を奪われる(8)──銃所持許可訴訟、10月判決へ。町と決裂の猟友会は独自調査
◾️21世紀の人質司法(4)──留置担当警官2人を証人尋問。供述強要・私物検閲国賠訴訟
◾️住民監査請求が提起した仁木町とワンテーブルの癒着疑惑。払拭されないコンサルの暗い影
【ニュース】
■全保育所休園の中和興産に迫る認可取り消しのカウントダウン
■有権者と派閥、向いているのはどっち? 自民・堀井学衆議が不出馬表明
■「つばさの党と一緒にしないで」 野次訴訟の原告らが報道に苦言
■割高でも飛ぶように売れる北広島駅直結の「レ・ジェイド北海道北広島」
■さっぽろ寺山修司資料館代表の山形氏と米研究者が「特別対談」
【シリーズ・住宅不動産情報】(20)──活発化する札幌中心部のオフィスビル売買
■建設コストの上昇が後押しする「建てるよりも買う」選択
【釧路発】───「企業づくり」の最前線──釧路市ビジネスサポートセンター
◾️どの企業にもあるウリを伸ばし地元経済の「稼ぐ力」をサポート
【釧路発】───学校地域協働センター「ラポールくしろ」の幸村仁代表理事に訊く
◾️いま未来のために必要なのは、子どもたちの可能性への投資と“地域共育”
【経済】───「道内20信金3月期決算」を徹底分析
◾️貸出金利息や預け金利息が増加。純利益170億円超えの好決算
【お盆特集】───「おふたりさま」の老後と終活を考える
◾️子供がいない夫婦が陥る思わぬ「困りごと」とは?
【水産】───東京の不動産会社が豊かな海づくりに挑戦
◾️ゼロからナマコを育て放流豊浦町で始まった種苗生産
【地域経済】───「ものづくり企業」のスピリット②──【鹿部・丸鮮道場水産】
◾️全国で支持される低塩たらこパイオニアの現在に至る歩み
【医療】───旭川・森山病院のこれからの「ロービジョンケア」を訊く
◾️石子智士眼科部長「残されている眼の機能を生かし患者の生活の質を向上させたい」
【社会】───「企業とのつながり」を強めて就労の機会とやりがいを創る
●NPO法人「楽しいモグラクラブ」のポストカードをパチンコ店が委託販売
【長期連載】
●“農と食”北の大地から(208)──大山利男さんに訊く有機畜産とアニマルウェルフェアの課題(後編)
●ルポ「ひきこもり」(107)──「地域の強いつながり」を武器に江別で独り立ちした居場所事業
●戦争遺産をめぐる旅(104)──「2発目の原爆目標地点」に建つ北九州市平和のまちミュージアム