「北方ジャーナル」2024年4月号が今日から店頭に並んだ。今月のトップは「“6歳児へわいせつ”の元警官に求刑3年」。いろいろな意味で開いた口が塞がらない道警の不祥事を独占スクープとしてお届けする。現職警官が同居する養女にわいせつな行為を強要し、親族の告発で容疑者として捜査を受けながらも起訴を免がれ、職場である警察本部も報道発表を見合わせた──。事実関係の多くが藪の中だったその不祥事が、発生から2年以上を経て公開の場で裁かれるに到った。第三者機関の「不起訴不当」議決を機に法廷で明かされることになった事件の概要を、発覚までの経緯と併せて報告する。小さからず注目されていた筈の裁判の模様は、なぜかどこにも報じられていない。(画像は北方ジャーナル4月号の表紙)

 現在6期目の寿都町長、片岡春雄氏と関係が深いとされ、昨年に創立70周年を迎えた社会福祉法人徳美会。この社福の特別養護老人ホーム「寿都寿海荘」(定員50名)の建て替え工事が2024年3月下旬の完成を目指し佳境に入っている。いわば町が丸抱えで進めているこの事業で噴き出したのが、補助金不正申請疑惑と用地未取得問題だ。これらの問題で片岡町長自身が、今回の新築建て替え工事が“見切り発車”で開始されたことを町議会で認めていた事実が、本誌の取材でわかった。

 この寿都町では別の地域課題も進行中だ。2月13日、後志管内の寿都町と神恵内村を対象にした、“核のゴミ”最終処分場の選定に向けた文献調査の「報告書案」がようやく公表された。概要調査に「現時点では反対する」鈴木直道知事は今後どう対応するのか。堂垣内知事時代から「処分地は受け入れず」を基本にしてきた道政の流れや、幌延町での放射性廃棄物施設をめぐる膠着状態からの脱却をめざして制定された「特定放射性廃棄物に関する条例」の経緯などをたどりつつ、道教育大名誉教授で地質学者の岡村聡さんによる「報告書案」批判と併せて紹介する。

 倶知安とニセコにまたがるいわゆる「ニセコエリア」が外国人スキー客で大賑わいだ。コロナ禍を経たいま、円安も追い風に国際的なスキーリゾートとして完全復活したと言っていい。しかし、一部メディアや識者の間には「ニセコバブル」と称して先行きを危ぶむ論調も少なくない。果たしてバブルに踊っているのか、それとも世界に認められた本物の人気なのか。おりしもスキーシーズン真っ只中、倶知安観光協会の吉田聡代表理事にニセコエリアの現状と課題を訊いた。

 今月の「シリーズ・住宅不動産情報」では、回復しない戸建て住宅需要にスポットを当てる。国土交通省によると2023年の道内の住宅着工戸数は1万686戸で、そのうち持ち家は8277戸と2年連続で1万戸を割り込み、過去65年間で最少となった。株価はバブル時の最高値を34年ぶりに更新し、全国的に賃上げ期待が広がるが、北海道の景況感に持ち直しのムードは乏しく、戸建て需要が底を打つ気配はない。2024年も1万戸割れが続く見通しだ。

 このほか「土壇場から始まる地域再興の道筋」を探る釧路特集、石狩湾沖で開発が進む洋上風力の現状と課題を追ったレポート、星野リゾート代表による持続可能な日本観光の在り方についての提言などもオススメ。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル4月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※4月号主要コンテンツ
【報道】
◾️道警不祥事から考える〈69〉──児童わいせつの元警官に求刑3年。被害者は養女の小1女児
◾️“核のゴミ”レポート〈38〉──真価を試される鈴木道政。いま毅然と「ノー」の“道是”を示せ

【ニュース】
■寿都町丸抱えの特養建て替え事業で片岡町長が認めた“見切り発車”
■後志管内4つの住民団体で組織する後志風力発電問題連絡会が共同声明
■塀の中の創作、チカホで展示会。絵画や詩などに足止める市民ら
■違法捜査指摘の道警、争う姿勢。現職警察官の損賠訴訟で初弁論
■STV報道に人権侵害など指摘。路上支援団体がBPO審議要請
■看護師遺族が陳述「台帳開示を」。病院側はチラシ配りに過敏反応

【釧路特集】──ひとも景観も加速する変化
◾️鈴木貴子衆議に訊く「道7区の顔として地域を牽引。未来を創る地元人材の育成を」
◾️蝦名大也釧路市長に訊く「基幹産業の課題解決を進め観光などで新しい賑わいを」
◾️サンエス電気通信・宮田昌利社長に訊く「基幹産業の衰退で正念場。新産業の芽を育成」

【地域経済】──倶知安観光協会の吉田聡代表理事が「ニセコバブル」に反論
◾️「バブル」と言われ続け20年。正しく評価されないニセコの実力

【シリーズ・住宅不動産情報】17──回復しない戸建て住宅需要
■バブル超え株価でも底打たず。3年連続1万戸割れに現実味

【環境】───石狩湾沖で開発が進む洋上風力の現状と課題
◾️環境や漁業、健康への影響──。洋上風力に潜む不都合な真実

【医療】───時計台記念病院の消化器内科部長・田沼徳真医師に訊く
◾️AIを備えた最新の内視鏡で、がんを早期に発見して徹底治療

【医療】───北海道整形外科記念病院の大浦久典医師に訊く
◾️手術支援ロボット「Mako」で実現する正確で安全な「人工関節置換術」

【観光】───星野リゾート代表が提言する持続可能な日本観光の在り方
◾️弟子屈への処方箋、そしてニセコへの懸念

【観光】
◾️キャンピング&フィッシング体験施設「C&A北広島」に新レストランがオープンへ

【食文化】
●レトルトカレー「リトルスプーン」復活。SNSで大バズりはしたけれど…

【春の全国交通安全】
●交通事故抑止に寄与してきた安心安全なクルマ作りの歩み

【地域】───「まち文化研究所」を主宰する塚田敏信さんに訊く(後篇)
●知られざる小樽の魅力。独自のまち文化を見える形で残して伝えていきたい

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(103)──軌道に乗り始めた「動画編集」。対価を生む仕事として手応え
●戦争遺産をめぐる旅(100)──比叡山の頂に残る人間ロケット「桜花」の秘密基地跡が語るもの


8人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。