北方ジャーナル12月号発売! 今月のトップは、「学生自殺で道庁が迷走 “謝罪と賠償は別”」

マスコミ

「北方ジャーナル」2023年12月号がきょうから店頭に並んだ。今月のトップは「学生自殺で道庁が迷走『謝罪と賠償は別』」だ。一昨年から本誌面で報告を続けている北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、在学生の自殺事案をめぐり北海道が第三者調査の結果を否定する認識を示し始めた。本年5月には知事や担当部局が学生の死とハラスメントとの「相当因果関係」を認めて頭を下げているが、ここに来て一転、「そうとは言い切れない」との主張。謝罪から僅か半年後の豹変に、亡くなった学生の遺族は強い失望感に苛まれている。(画像は北方ジャーナル12月号の表紙)

 貴重な現地報告に注目だ。昨年2月24日に突如始まったロシアのウクライナ進攻。戦況に関するニュースは日々報じられても、戦火の下で生きる人々の声はほとんど伝わってこない。ロシア軍による砲撃やミサイルによる街の破壊、地下壕での避難生活や拉致監禁、性暴力、そして虐殺──。そんな人々の生の声に耳を傾けようと昨年11月から1カ月半、現地を取材したのが元朝日新聞記者でジャーナリストの岡野直(おかの・ただし)氏だ。その岡野氏が10月13日、「札幌なにかができる経済人ネットワーク」(呼びかけ人・越智文雄氏)の招きで来札し、市内で講演を行なった。今回の戦争の背景、そして市民たちの現在は──。ウクライナとロシアに精通している岡野氏のリアルな報告に耳を傾けてもらいたい。

 2023年もまた、懲戒処分などの全件公表を免れる“特権”は揺るがなかった──。地元警察の直近の不祥事記録を紐解くと、相も変わらず未発表が疑われる事案が複数あったことが見てとれる。うち1件は地元紙の独自取材であかるみに出ることとなったものの、ほかの報道大手が後追いするには到らず、別の1件は報道された形跡がない。定期的な公文書開示請求であきらかになった事実、取り急ぎまとめて報告を。

 本誌恒例の地域レポート「オホーツク特集2023」も読み応え十分。今年オホーツクを回って感じたひとつが、知床観光の苦戦だ。昨年春に起きた遊覧船沈没事故の影響が後を引き、コロナが明けた今も集客が低調に推移したままだ。知床が敬遠されているのはオホーツク観光全体にとって大きな懸念材料。事故後、関係者は一丸となって安全対策を進め不安の払拭に努めてきた。取り組みの周知をいっそう進め、世界自然遺産の知床が1日も早く復活することを祈りたい。目を転じれば、能取湖での稚貝大量死に加え中国の輸入禁止により輸出が滞るなどホタテが打撃を受け、紋別や北見で行政がらみの不祥事が目立ったことも否めない。今回の特集では網走・北見・紋別3市の首長インタビューなどに加えカラーグラビアで最新の観光情報をお届けする。今年も誌面を通しオホーツクの魅力に触れてもらえれば幸いだ。

 このほか、結審した北大総長解任損害賠償訴訟、好評な「シリーズ・住宅不動産情報」などにも注目。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル12月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※12月号主要コンテンツ
【報道】
◾️江差パワハラ死で道が「因果関係」を否定、示談交渉が暗礁に。遺族らの不信招く手のひら返し
◾️戦時下のウクライナを元朝日記者が札幌で報告会──「ロシアとの戦争で国民がひとつになったウクライナ」
◾️道警不祥事から考える〈66〉──現金盗、未発表か。“第3四半期”速報 盗撮報道の巡査には“余罪”も
◾️LGBT当事者が最後の意見陳述に臨み「結婚の自由」札幌訴訟、二審終結
◾️仁木町の風力発電学習会で日本熊森協会代表の室谷悠子弁護士が講演
◾️札幌市・山口処分場の新幹線残土搬入問題──住民団体が工事の中止と原状回復を求めて市議会に陳情へ

【ニュース】
■尋問で名和氏がパワハラを否定し北大総長解任損害賠償訴訟が結審
■HBCドキュメンタリー映画化 野次排除「劇場拡大版」全国公開
■千歳・ラピダス進出に「待った」 市民有志が市と議会へ公開質問3

【シリーズ・住宅不動産情報】13───札幌圏で進む5千坪級宅地造成
■高騰の調整が進む宅地価格 平常時相場に近づき底脱出

【オホーツク特集】
■網走市長 水谷 洋一氏に訊く「看板の“交流”が復活した網走」
■北見市長 辻 直孝氏に訊く「地域DX化とカーリングに活路」
■紋別市長 宮川 良一氏に訊く「市政の信頼回復と活性化に全力」
■特集 オホーツク観光2023「白い大地からの誘い」

【環境】───西尾正道 医師に訊く「がんと放射線」(前篇)
◾️似非科学と強欲資本主義で隠蔽された内部被曝の真実

【医療】───札幌東徳洲会病院の新院長・山崎誠治医師に訊く
◾️ソフトとハードを再構築し「断らない救急医療」を目指す

【企業】───コープさっぽろ、地産地消の再エネ電力を100店舗に供給
◾️全道2百カ所に太陽光発電所を建設し電力使用量の14%を自己託送

【農業】
●〝農と食〟北の大地から──国内で最大規模の放牧養豚を続けるエルパソ牧場

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(99)それぞれの道を歩み始めた母と娘
●戦争遺産をめぐる旅(96)使われなかった猿払村の「旧陸軍浅芽野飛行場」跡

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