北方ジャーナル11月号発売! 今月のトップは、「鵡川漁協で起きた役員改選妨害事件を追う」

マスコミ

「北方ジャーナル」2023年11月号が今日から店頭に並んだ。今月のトップは本誌独自レポート「鵡川漁協で起きた役員改選妨害事件を追う」だ。胆振総合振興局管内で太平洋に面する「むかわ町」。ししゃもで知られるこのまちを支える鵡川漁業協同組合(小谷地好輝代表理事組合長)で起きた事件を報告したい。昨年6月の役員改選の最中、多くの組合員の自宅に「暴露系ユーチューバー」を名乗る人物から特定の候補者を誹謗中傷する怪文書が投函され、その影響から役員の選任が見送られる出来事があった。当事者は悪質な名誉毀損として刑事告訴に踏み切ったが、いまだに事件は解決していない。怪文書をばら撒いた差出人の目的とは何か、そしてこの出来事の背景とは。(画像は北方ジャーナル11月号の表紙)

「告発・陸の蟹工船」と題して第一報を先月号でお届けした、恵庭で起きた障碍者虐待疑惑の続報にも注目だ。地元市議会の野党系議員らが市の隠蔽疑惑を相継いで追及した。本会議と委員会で事案の事実関係などを質された理事者側は「お答えを控える」との答弁を連発、その理由を問われては曰く「裁判になっているため」。指摘される不適切な対応があったか否かは、飽くまで法廷であきらかにしていくという。市民が傍聴する開かれた議会でのやり取りは、市にとっては「場外戦」だった──。

 羽幌町発・閉鎖直前の「焼尻めん羊牧場」に救世主、と題して送る地域レポートもオススメの1本。赤字が続き最後の飼育員も退職が決まったことで8月末で閉鎖・廃業する方針だった苫前郡羽幌町(森淳町長)の町営「焼尻めん羊牧場」が、一転して存続する運びとなった。名乗りを挙げた民間事業者、あべ養鶏場(下川町)の東郷啓祐社長と町が合意に達し、東郷社長が設立する新会社で同牧場を承継し「焼尻ブランド」を継続するという。町議会の議決などを経てこの10月中にも新事業者による運営に切り替わる。「焼尻めん羊牧場」の歴史を振り返りながら、地域にとって朗報となった今回の土壇場の継承劇に注目した。

 人口を増やしたいと考えている関係者が必読なのが、空知郡南幌町の住宅・不動産施策にスポットを当てた記事だ。総務省が2023年7月に公表した人口動態調査で、南幌町は増加数(22年1月と23年1月との対比)が153人と、北海道の市町村で最高となったほか、増加率では2.09%と全国の町村で最高に。人口増をもたらしているのは、町が進める住宅支援策による転入増だ。町は、こうした人口増に対応してスーパー誘致に動き町有地を事業者に貸し付け、道央圏連絡道路の南幌ランプ開設を見越して、新たな工業団地の造成にも取り組む。

 病棟閉鎖や医局の医師引きあげなどで危機に陥っている釧路管内の精神科医療。こうした中、今年5月には管内最大162床を有する精神科病院、医療法人清水桜が丘病院の清水輝彦院長(当時)が病で倒れ、外来診療の停止に追い込まれた。この危機を打開しようと動いたのが、調剤薬局などを展開するミライシアホールディング(本社札幌)の神山武士社長(42)だ。同病院のSOSを受け神山氏は7月28日付で医療法人理事に就任。経営にも関わりながら8月末には新たな医師を確保し、外来の再開に漕ぎ着けた。精神疾患を抱えながら生きていくには医療機関のケアと地域の支え合いが欠かせない。救いの手を差し伸べた神山氏に今回の取り組みの真意と目的を訊いた。

 このほか、JA北海道中央会の新たな舵取り役、樽井功新会長へのインタビューや「稚内グリーンファクトリーの挑戦」と題して送るレポートなど農業関連記事などにも注目。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル11月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※11月号主要コンテンツ
【報道】
◾️鵡川漁協で起きた役員改選妨害事件を追う。怪文書をばら撒いた“暴露系ユーチューバー”
◾️告発・陸の蟹工船【2】──障碍者虐待疑惑で議会が追及 隠蔽疑いに恵庭市は「お答えを控える」
◾️問われる自治体の人権感覚【2】──同性事実婚の扶養関係認めず。SOGIハラ訴訟で地裁判決
◾️“核のゴミ”レポートPART36──アンケート調査で分かった寿都町民の本音と憤りとは
◾️羽幌町発・閉鎖直前の「焼尻めん羊牧場」を救った、あべ養鶏場・東郷社長の決断
◾️「みんなで声をあげよう」。仁木町商工会会長が関西電力の風車に反対し住民にチラシを配布

【ニュース】
■元作業員男性、東電などと和解 原発復旧作業めぐる訴訟が終結
■誰もが驚いた根回しなしの移転劇 北海道医療大、当別から北広島へ
■「行政をぶん取る」発言で失脚した島田氏に振り回された仁木町事業

【シリーズ・住宅不動産情報】12───住宅支援策による転入増の成功例
■スーパーも呼び込む南幌町 人口増加率トップの秘密とは

【地域再生】───稚内グリーンファクトリーの挑戦
◾️最北の地で支える酪農と再エネ。「地域の未来」を託された男の夢

【医療】───ミライシアHDの神山武士社長が釧路の精神科医療に救いの手
◾️清水桜が丘病院の危機を受け医師を確保し外来診療を再開

【観光】──自然体験観光の在り方をウエネウサルみどり・菅野又代表に訊く
◾️観光客の心を満たしているのは大自然と触れ合う非日常の空間

【企業】
●上富良野ホップ試験栽培100周年。サッポロビールが迎えた記念の年

【農業】
●JA北海道中央会の新たな舵取り役、樽井功新会長に訊く「農業とは何か」
●JAきたみらいの玉ねぎ「さらさらゴールド」が生鮮野菜で機能性表示食品に

【アート】
●今年で10周年! 新千歳空港国際アニメーション映画祭の見どころを完全紹介

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(98)「道ひ老連協」の発足記念シンポから
●戦争遺産をめぐる旅(95)幌加内町の朱鞠内湖畔に残る強制労働の跡

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