STVの社外監査役を務めた公認会計士の杉山豊氏が、STVグループのエルムリースから株主権不存在の確認訴訟を札幌地裁に提起されていることが28日分かった。杉山氏はかつてエルムリースの代表取締役を務めたことがあるが、現在は離れている。エルムリースは、杉山氏が持ち株を過大に計上しているとして真正な持ち株の範囲を確定するために訴訟に踏み切ったものと思われる。(写真はSTV本社)
 
 杉山氏は、3年ほど前までSTVの社外監査役を務めていた。元社長の伊坂重孝氏の持ち株を巡ってSTVグループ内で伊坂氏所有株の移動、付け替えが行われたとき中心的役割を果たした。
 
 北海道不動産とエルムリースは、伊坂氏保有のSTV株を譲り受け、7年前には第3位と4位の大株主として登場。エルムリースはSTVに放送機材のリースなどをもおこなっているグループ会社。STVの傘下企業でありながらSTV株を大量保有する歪な関係だった。
 
 杉山氏はSTV社外監査役を務めながら、STV大株主だった北海道不動産とエルムリースの代表取締役を務め、STVグループ全体の株や資金の動きを支配する立場に就いていた。
 
 3年前にキー局の日本テレビからトップや監査役が新たに選任されて杉山氏は表舞台から去っていた。
 
 今回、エルムリースが杉山氏を提訴する事態になって杉山氏は被告の立場で再び表舞台に登場することになる。
 
 1946年生まれの杉山氏は、80年に公認会計士協会に登録。札幌中央監査法人、朝日新和会計の代表社員を務めた後、95年にSTV興発が所有するSTV北2条ビルに個人事務所を開設して独立。同年にエルムリースの監査役などSTV関連子会社の監査役に就き、2001年にSTV社外監査役に就任していた。
 


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