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 道内民放の雄、STVが6月に行う役員人事が注目されている。一昨年に常務から社長に昇格したキー局日本テレビ出身の島田洋一さんが役員の総入れ替えを仄めかしているためだ。昨年の役員人事では幻の解任動議でゴタゴタしたが、今年はその総決算が行われるというのがもっぱらの噂だ。


 昨年の役員人事では、プロパーVS.キー局日テレの人事抗争が鋭角的に噴き出した動乱が水面下で起きていた。
 一昨年に社長から会長になったSTV生え抜きの鈴木輝志さんが、日テレ出身の島田社長、三山専務の解任を画策していたからだ。鈴木さんは、意を通じた常務の小林純さんを介してSTVプロパー役員たちによる解任賛成の連判状を作成、決算取締役会でその連判状をもとに2人に解任を迫る考えだった。
 しかし、この工作は未遂に終わった。連判状は実際に集められたというが、札幌で行われた決算取締役会当日には解任動議は提出されず、鈴木会長が最高顧問に退くことが決まった。
日テレ出身役員に弓を引いた張本人が、逆に事実上STVを退くという逆転劇に終わった。
 人事抗争の原因は、キー局の人事支配に対するプロパーの反撃とされているが、その根っこにあるものは鈴木社長時代の暗愚経営に端を発する。その中身についてはいずれ稿を改めて詳述するが、緊張状態だったSTVと日テレの関係は、鈴木会長の最高顧問就任で収束に向かうことになった。
 それから1年、今年6月に島田社長はいよいよ島田カラーを出すための役員人事を断行すると見られている。もちろん、昨年の連判状問題のケリをつけることも既定路線だという。
 島田社長は年頭にSTVの大変革に言及している。この大変革とは役員の総入れ替えと見られている。
地上波デジタル化が目前に迫り新生STVを内外に際立たせるために、50代半ばの局長級から数人が役員に抜擢される見通しだ。
 関係者の間では、それ以上にSTVグループの影のトップといわれた元社外監査役S氏を根絶やしできるかどうかに注目が集まっている。
(写真はSTV本社)

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