財界さっぽろ(本社・札幌市中央区)は26日、札幌市中央区の札幌パークホテルで政治評論家の森田実氏(85)を招き、『「森田実の永田町政治に喝!」出版記念特別講演会』を開催した。道内の政治経済関係者ら約350人が出席、90分間に亘る森田氏の熱弁を熱心に聞いた。(写真は、講演する森田実氏)
財界さっぽろは、「森田実の永田町政治に喝!」と題して2ページのコラムを毎月連載している。今回、昨年12月までの6年間、71回の連載を再構成して書籍化したことに伴い、森田氏を招いた講演会を開催した。
森田氏は、東大工学部を卒業して就職した出版社が倒産、フリーライターになった1972年ころから政治評論を始めた。自民党本部に通い始めたころに鮮明な記憶として残っていることに故中川一郎氏の存在をあげた。
「確か当選4回のころの中川氏だったと思うが、当時の自民党幹事長、橋本登美三郎氏に『もっと北海道のことを考えろ』と怒鳴り合いをしているのを目撃した。翌日も中川氏はやってきて掴みかかるくらいの勢いで『北海道のことを考えろ』と。時代は変わり小選挙区制になって国会議員が地元のことばかりやると叩かれるようになったが、政治家とは本来、中川氏のようであるべきだ」と語った。
そのうえで、「北海道知事と道政がかつての中川氏のように地元のことを考えて中央に陳情、行動しているかというとそうではない。『これでいいのか』という議論を起こすべきだ」と訴えた。
また、来年の知事選について、「私には誰が知事に相応しいという案はないが、北海道の再出発をさらに引き伸ばすのはやめた方が良い。少子化の流れが最も早い北海道から日本を再生、建て直していく機会にするべきだ。明治3年に創設された札幌農学校のように教育をもって50年、100年先の北海道を創る人材を育てていく知事を選ぶのが良い」と喝を入れていた。