号泣兵庫県議は例外中の例外と思っていたら今度は富山市議だ。政務活動費の不正請求問題。あれだけ号泣県議で騒がれた政活費不正なのに襟を正すどころか、「ばれなけゃ、やっちゃえ」と6人もの不正が発覚した。こんな問題が起こる理由の一つは政活費が前渡しだから。事後精算の実費請求にすることが急がれる。札幌市議会や道議会は事後精算に全国1号で切り替えてはどうか。(写真は、北海道議会庁舎。右は道庁赤レンガ旧庁舎)
号泣兵庫県議の懲役刑が確定したのは今年7月。執行猶予付きながら政活費を不正請求した虚偽有印公文書偽造・同行使の罪は当然のことだ。なにせ、政活費は県民が払った税金から支出されているのだから。
議員センセイと呼ばれる人たちは、モラルを守り都道府県、市町村の未来を切り開いていく高潔とまではいわないにしても、一般道徳以上のレベルで規範意識を持っている人とばかり思っていた。
もちろん、警察官が酔っ払い運転をしたり、議員が覚醒剤の常習者だったりする時代。政活費の詐取をする議員がいても不思議とは思わないが、それはあくまで例外という意識がどこかにある。
しかし、同じ市の市議6人(いや、もっと出てくるかもしれない)が領収書を偽造したり数字を書き替えたりして1500万円以上を詐取したことは、もはや例外とは言えず全国各地の政活費が支給されている議会で発覚せずに横行していると考えざるを得ない。
こうした問題の原因は、議員の資質もさることながら政活費の前渡し制度にもあるのではないか。定期的に一定額を前渡し、支給された金をどう使ったかの活動記録と領収書を期末に報告するという現在のやり方では、余った金をプールしようと偽の領収書を作る議員が出てくる確率は高くなる。
前渡しを止めて、まずは自腹で払い、その目的と領収書を添付して一定期間ごとに事後精算するやり方に変えれば、ウソをついて金を得ようとする議員の確率はグンと減るだろう。こんな制度変更は、各議会の議員がその気になればすぐにできる。
札幌市議や道議が政活費をどう使ったかは、議会の図書室などで誰でも見ることができる。いずれも1円以上の領収書コピーが義務付けられており透明性は高いと言われている。それならば、政活費の事後精算、実費請求に率先垂範してみてはどうか。道民、札幌市民の信頼感はいや増すことだろう。