余市に本店を置く北海信用金庫が26日、札幌全日空ホテルで経済講演会を開催した。財団法人北海信金地域振興基金の主催によるもので年に一度、札幌と小樽で開催している。今回の講師は政治評論家の屋山太郎氏。会場には同信金の取引先で作る親睦団体、札幌地区信和会の会員を中心に約300人が詰め掛けた。
冒頭、伊戸隆紀理事長が挨拶、「今年は北海信金が創立されて85年、年1回の経済講演会が40回目という節目の年になる。今日、お昼のニュースで小沢(一郎)さんが民主党代表選に出馬することが放送されていたが、屋山さんを講師にお招きしたことは誠にタイムリー」と述べた。


屋山氏の講演要旨は以下の通り。
「小沢さんが今日民主党代表選に出ることがはっきりしたが、菅さんは小沢さんに立ってもらいたかった。民主党サポーターは全国に85万人いるが、そのうち25万人は小沢グループのサポーター。数から言うと小沢さんが勝つことになるが、菅―仙谷(官房長官)コンビが企む政治的駆け引きは、鳩山―平野(同)とは比較にならないくらい違う。小沢さんが立つところまで追い込んで、菅さんが勝つ構図に持っていった上で挙党体制を築こうとしている」
「菅さんは小沢さんにケリをつけようとしている。小沢さんは菅さんの腹に刺さった五寸釘みたいなもの。抜けば正常になるから、切開してでも腹の中の五寸釘を抜くことを決意した」
「政治と金の問題で鳩山内閣の支持率は75%から20%まで急落。それでも参院選をやろうとした。鳩山―小沢で参院選に臨めば30議席台しか取れなかっただろう。菅さんに代わって何とか44議席まで伸びた。 鳩山―小沢は典型的KY。政治と金の問題は終わっていないと感じているのは有権者の8割にも及ぶという調査が出ている」
「参院議長の西岡さんは、『小沢さんが(代表選に)立ったら党を出ることになる』と言っているが、西岡さんのつぶやきは民主党保守層に大きく響いている。小沢さんがひょっとして勝ったら、その時から民主党は没落するか、あっと言う間に消滅するだろう」
「小沢さんは惜しいところで負けたということにはならない。負けるのは『こんなにも(票が開くの)か』と思うほど負ける。負け方によっては小沢さんの離党ということもあるだろうし、票数によっては小沢さんの離党勧告、除名勧告もあるだろう」
北海信金が、屋山氏に講師を打診したのは今年4月。屋山氏が講師を承諾したのは5月はじめで政局は比較的安定していた。6月に入って鳩山―小沢コンビの辞任や菅―仙谷コンビの誕生など政局は大きく流動化、続く参院選での敗退、そして民主党代表選と、まるで屋山氏の講演を待っていたような政局の混迷振り。
伊戸理事長は、「円高、株安、代表選と経済は混迷しているが、地域金融機関として皆様と一緒に(この難局を)乗り越えていきたい」と締めくくっていた。

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