参院選から1週間が明けたが、道選挙区で初当選した自民・長谷川岳氏(39)と民主・徳永エリ氏(48)が早速始動。北海道のためにどんな働きをするのか、新人らしく既得権に捉われない柔軟な発想で北海道の改革を進めて欲しい。
参院選のもう一つの焦点として、筆者が紹介した中川親子対決は、残酷なまでに雌雄を決する結果になった。
自民党参議を2期務め、今回は自民を離党、たちあがれ日本の比例候補として出馬した中川義雄氏(72)は、個人名の得票が1万5000票あまり、たちあがれが道内得票したで総票数の30%弱を占めたに過ぎなかった。6年前の参院選で自民から出馬、74万票を獲得してトップ当選したことが、まるで嘘のようなしぼみようだ。
自民党道連関係者は、「義雄さんとは道議時代を含めて20年以上の付き合いがあるが、義雄さんは今回の選挙には出馬せず引退を決めていた。出馬するときは、皆に推されて出るのが良いが、引退するときは自分ひとりで決めなければならない。これは政治家の鉄則。しかし、会う人、会う人に出馬を薦められて翻意してしまった。結果はご覧の通りで、晩節を汚してしまった」
自民の組織に乗っかった選挙と今回のカネも組織もない戦いの差は、これほどの結果を生むということに一番衝撃を受けたのは義雄氏本人だろう。
一方、息子の賢一氏(43)は、やはり組織もカネもない中で32万票を獲得した。みんなの党という自民・民主への不満の受け皿になった第3極政党への期待票が多かったことにもよるが、今回の審判で賢一氏に政治生命が吹き込まれたのは確かだ。
賢一氏は、この票の重みをバックに衆院5区補欠選挙への出馬の可能性が出てきた。みんなの党に吹いた風が今後も続けば、来春の知事選や統一地方選でも躍進する芽はある。
義雄氏と賢一氏の明暗を分けたのは政党に吹いた風の違いだった。既成政党に埋没したたちあがれ、第3極政党として自民・民主への抵抗勢力として認識されたみんな――親子ともども落選したものの、負け方の落差は大きい。親子対決は世代交代を鮮明に印象付けて終わった。