札幌市は東雁来第二地区(東区)の北東部にある重点整備地区に含まれる多機能交流地区の一部の土地利用を工業系に確定、準工業地域に変更する。これまで第一種低層住居専用地域だったが、準工業地域にすることで一部は1万㎡以下のショッピングセンター(SC)などの商業施設が建設できるようになるが、同地域は既に国が所有して河川防災ステーションを建設しており、事実上は不可能。
東雁来第二地区は、市が区画整理事業として1996年から進めてきたもので事業面積は約210ha。既に工業系、住居系、商業系、重点整備地区の4つに区分し、進捗率は83%。
西側の工業系地区で物流センターや事務所などが建設され、商業系にはドラッグストアやホームセンター、食品スーパーなど立地して営業している。
重点整備地区は北東部分の一角で、当初は住居系の利用を見込んでいたが住宅需要が沈滞したため具体的な土地利用が確定されていなかった。重点整備地区はスポーツ交流地区、福祉交流地区、河川防災ステーション、多機能交流地区の4つに分類され、コンサドーレユースの練習場や特別養護老人ホームなどが一部で建設されている。
今回、市は重点整備地区のうち多機能交流地区について工業系の需要が高いと見込んで、土地利用を工業系に確定する。用途地域は第一種低層住居専用地域から準工業地域に変更され、容積率は80%から200%に、建ぺい率も40%から60%に緩和される。ただ、この地区の大半が特別工業区で商業系は500㎡以下の店舗しか建てられない。一部地域は1万㎡以下の店舗面積を持つSCなど商業施設や工場、倉庫も建設できるようになるものの、既に国が多くの部分を所有し河川防災ステーションとして利用。このため、1万㎡以下の大型SCなど店舗を作ることは実際問題として不可能。
(※2014年2月7日、記事を修正。札幌市によると1万㎡以下の商業施設の建設は可能になるが、実態的には土地は国の所有で建物がたっておりSC建設などは不可能ということでした)