NHK札幌放送局が放送会館敷地(札幌市中央区北1西1)を札幌市立病院跡地(北1西9)と等価交換する方向で札幌市と基本合意したことで、「札幌の1丁目1番地」(上田文雄市長)が市有地となり市が進めている北1西1周辺の再開発が進め易くなる環境が整った。NHKは2020年度にも移転する見通しで、現放送会館跡地には市役所新庁舎を建設する選択も浮上しそうだ。(写真は、北1西11のNHK札幌放送局の放送会館=上と札幌市民ホール=手前)
札幌市は、北1西1や大通西1、大通東1の3街区を「創世3区」として再開発する方針を決めている。放送会館北側の北1西1の北街区では既に再開発構想が発表され、市民交流複合施設を備えた地下5階、地上28階、延床面積12万7900㎡の高層ビル建設が14年度にも始まる。
この再開発ビルには当初、NHKも入る方向で検討されたがNHK側の事情で断念、代わってHTB(北海道テレビ放送)が本社を豊平区平岸から移転することになっている。
今回、NHK札幌放送局と札幌市が現放送会館敷地(約4000㎡)と市立病院跡地(約1万㎡)を等価交換することで基本合意、NHKは20年度にも新放送会館を建設して移転、現放送会館は取り壊されて21年度中にも市有地になる見通し。
北1西1の南街区は現在の札幌市民ホールを含めて市有地となるため創世3区の整備に弾みがつくことになる。札幌市民ホールは、08年末に完成したが計画が進んでいた市民複合交流施設の完成まで時限的な利用を目的にした簡素な建物となっており取り壊しも容易な構造。
北1西2にある現在の市役所庁舎は1971年に竣工しており築後42年が経過している。NHKの移転は7年後になるためそのころには市役所庁舎が築後50年を超えることになり新庁舎建設が俎上に上ってくるのは確実な情勢だ。その有力候補地になるのが現放送会館と札幌市民ホールの建っている敷地。現庁舎を利用しながら新庁舎建設を進められるメリットも出てくる。
札幌の1丁目1番地は今後10年の間に大きく変貌することになりそうだ。