JR札幌駅南口と大通を南北に結ぶ札幌駅前通地下歩行空間は、人の流れを大きく変えたが歩行者のネックになっているのが、札幌市営地下鉄札幌駅から歩行空間までの区間の片側が地下鉄連絡通路で遮断されていること。広い歩行空間がこのゾーンだけ細くなっており利用者から不満の声が多い。通路を遮る檻のような障害物はいつ取り払われるのか。(写真は、歩行空間への進路をふさぐ地下鉄連絡通路)
地下歩行空間が開通したのは、2011年3月。平日、休日に関係なく行き交う歩行者は多く、札幌中心部の人の動きを大きく変えた。
歩行空間を歩いた人なら気づくことだが、地下鉄札幌駅から歩行空間の出入り口までの200㍍ほどの距離は人の流れが西側に偏っている。と、いうのも東側が南北線と東豊線の連絡通路で行き止まりになっているからだ。広い歩行空間がこの部分だけボトルネックになって行き交う人が多くなると西側が自然渋滞を引き起こしてしまう。
“東少西多”の不均衡は、札幌が誇る地下大動脈の東西格差を生み出しており地上のビルのテナント誘致にも波及しかねないほど。
このネックはなぜ解消されないのか。「連絡通路は、地下鉄南北線と東豊線の乗降客の利便性を確保するうえで必要な施設。地下歩行空間の利用者のために地下鉄乗降客の利便性を低下させることは道運輸局が認めない」(札幌市役所幹部)
では、地下歩行空間の出入り口付近だけ通路を寸断させることはできないのか。
「それには多額の投資が必要になる。券売機や自動改札機のシステムも変えなければならず、早期に実施することはできない」(同)という。
で、結局は大掛かりなシステム変更が必要になる2014年4月の消費増税時期まで待たなければならないということになる。「消費増税の時期には乗継の利便性を確保したうえで、連絡通路を撤去することを考えたい」(同)という訳だ。
地下大動脈の東西格差解消が、消費増税時では喜びも中くらいになってしまいそうだ。