秋元副市長【北方ジャーナル提携記事】来春の札幌市長選候補として秋元克広副市長が擁立されることが確定的となった。8月18日夕、北海道ハイヤー協会前会長の加藤欽也氏など4人の経済人が代表世話人となり「札幌の未来を考える有志の会」の発足会が札幌市内のホテルで開かれた。ここに経済人18人が参集し、ゲストとして招かれたのが秋元氏だった。当日は「札幌市の未来像についての意見交換会」という名目だったが、秋元氏を市長選候補として推す経済人たちの“旗揚げ”的な会合だったことは明白。複数の関係筋によれば当の秋元氏も出馬に前向きとされ、近く副市長を辞任したうえで正式に表明するとの観測も流れている。(写真は、秋元克広副市長)
 
 
 “秋元擁立”をめぐっては、北海道の自民党の首領である町村信孝衆議に一度潰された経緯がある。年明け後、経済人有志27人が連名で自民党札連に対して秋元氏の推薦要請を行なったものの、早くから本間奈々氏で一本化する構想を固めていた町村衆議は、この要請を一蹴。当時、札連会長だった橋本聖子参議が推薦候補選びの迷走の責任を取って辞職し、町村衆議が新会長に就くという一幕があった。
 1 加藤会長
 (写真は、代表世話人の1人である加藤欽也氏)
 
 いわば「ボスの一喝」で流れた“秋元擁立”だったが、前述した「経済人27人」には札幌商工会議所副会頭5名(岩田圭剛氏・勝木紀昭氏・似鳥昭雄氏・布施光章氏・星野恭亮氏)をはじめアインファーマシーズなど北海道を代表する企業のトップが名を連ねていたため、保守・経済界が本間氏で一枚岩になれない現実を周囲に強く印象づける結果を残した。
案内状

 (写真は、「札幌の未来を考える有志の会」の案内状) 
  
 今回の動きは、この時、押さえ込まれたマグマが再び噴き出した形と言っていい。上田市長は4選を辞退する可能性が高いとされており、これで「本間vs秋元」の構図がほぼ固まったと見られるが、保守・経済界の分裂は必至だ。今回の18日の“旗揚げ会合”にしても事前に動きを察知した町村衆議が関係者に自粛を求めてきたとされ、「本間一本化」に泥を塗られた首領がこのまま黙って座しているとは考えにくい。今後、秋元氏を市長選候補として推す経済人への切り崩しが始まることは想像に難くない。
 
 自民党の推薦候補として捲土重来の勝利を目指す本間氏に対して秋元氏はどう戦うのか。
 
「彼の強みは行政手腕。上田後継という位置づけではなく、労組にも頼らずニュートラルな立場で戦うことになるのではないか」(関係者)
 
 上田に敗れてなお札幌市長の座を目指し、自民党をバックに再挑戦する本間奈々氏、桂市長時代から秘書課長などを歴任し、実務と政策に定評があるものの組織の応援が期待できない秋元克弘氏。予想される両者の戦いは興味深いものとなりそうだ。 
 



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