3月末で退任する札幌市副市長の小沢正明氏(64)のニトリグループ入りが取り沙汰されている。ニトリグループは、札幌市と様々な分野で連携しており上田文雄市長と似鳥昭雄社長の関係は深い。小沢副市長もニトリグループ幹部との面識があり、市政運営で培ってきた能力を民間で発揮することが期待されている。(写真は、札幌市役所)
副市長の天下り先は市の外郭団体というのが一般的。上田市政を支えた主な副市長の例を見ると、加藤啓世氏が札幌副都心開発公社社長、中田博幸氏が財団法人札幌国際プラザ副理事長にそれぞれ転出している。
民間に転出したケースとしては、2007年6月に任期満了で退任した田中賢龍副市長が挙げられる。田中氏は退任後の翌年6月に北海道ガスの社外監査役に就任。現在2期目に入っている。ただ、田中氏は元助役で同社監査役だった高橋賢治氏の後任の色合いが濃い。
小沢副市長は、03年7月に就任。現在8年8ヵ月目に入っており、任期は15年7月まで。小沢氏は2月上旬に任期途中で退任する意向を上田市長に伝え、上田市長もこれを了承した。
転出先については現時点では明らかになっていないが、一部ではニトリホールディングの傘下企業が取り沙汰されている。ニトリグループ入りが決まれば、上田市政の中核を支えてきた田中氏に続いて民間で力を発揮することになる。