札幌市長選が24日告示され、4月7日投開票に向け14日間の選挙戦に入った現職の秋元克広氏(63)と新人の渡辺達生氏(54)の一騎打ちとなるが、秋元氏は前回選挙と変わって与野党の相乗り候補、渡辺氏は共産党の推薦候補。秋元市政4年間の評価を問う選挙戦となる。(写真は、札幌市時計台で第一声を上げる秋元克広氏)
(写真は、イオン札幌藻岩店前で演説する渡辺達生氏)
秋元氏(立憲民主党、国民民主党、新党大地推薦、自民党、公明党、社民党支持)は、午前8時50分から札幌市時計台前で第一声を上げた。前日からの雪は止んだものの時計台周辺の道路もうっすらと雪が積もり、氷点下の中で秋元氏はマイクを握った。
「今回の選挙は、4年間の私の取り組んできた札幌市政が是か非か、これからも継続発展をしていく道を選ぶのか、ここで停滞縮小していく道を選ぶのか、そのことを問う選挙であることを市民の皆さんに訴えたい」と強調。
さらに、「2022年に札幌市は市制100周年を迎える。これからの4年間は次の100年の扉を開ける期間になる。30年には札幌まで北海道新幹線が開業し、全道域への交通ネットワークを高速道路に繋げていくことは札幌にとっては重要。この4年間、市債残高は増やさずに新しい施設を作ってきた。投資と財政のバランスを取って4年間取り組んできた。次の100年に向け、皆さんと一緒に札幌のマチを、北海道を創っていくことを約束したい」と訴えた。
渡辺氏(共産党、新社会党北海道本部、自由党北海道支部準備委員会推薦)は、札幌国際ホテル前で第一声を上げた後、南区のイオン札幌藻岩店前で午前10時過ぎから演説。渡辺氏は南区で生まれ育ったためニチイ時代からこの店には馴染みがあるというエピソードを語った後で、「命、暮らしが一番の札幌を創る思いで立候補した。秋元市政4年間で何か良いことはあっただろうか。日ハムが札幌ドームからいなくなってしまうこと、子ども医療費を無料にすると言ったが実際に無料になったのは2018年度からでしかも小1まで。明確な公約違反だ。また、市長が各区で直接市民から話を聞く市民トークもやめた。秋元市政はリーダーシップがなく市民の声を聞かない」と批判。
その上で、「私は次の4つのことを実行する。医療費を中学生まで無料にし、国民健康保険料の引き下げ、介護保険の負担軽減、奨学金制度の拡充だ。それらを実行するのに100億円かかる。市の予算1兆円から全体を少しずつ減らして1%つくるのは難しいことではない」と訴えた。
明確に意見が分かれる都心アクセス道について、秋元氏は全道交通ネットワーク形成の観点からも必要と訴え、渡辺氏は市の借金に繋がり後世への負担付け回しだと明確に反対の姿勢を打ち出している。ちなみに、秋元氏の第一声は、8分40秒間、渡辺氏の第二声は13分45秒間だった。