来年春の札幌市長選に出馬する自民党推薦の本間奈々氏(45、元総務省自治大学校研究部長)の政経セミナーが21日、札幌市中央区の札幌プリンスホテル国際館パミールで開催された。衆院解散日と重なり講師を予定していた谷垣禎一自民党幹事長は欠席、ビデオメッセージで本間氏の支援を訴えたが自民党札連会長の町村信孝前衆議をはじめ高木宏寿、中村裕之の前衆議2氏も本人が出席、総選挙に向けた熱気も加わって集まった約2500人は1時間半のセミナーに聴き入った。(写真は、政策と決意を述べる本間奈々氏)
セミナーには、道議、札幌市議のほか髙橋はるみ知事や高向巖札幌商工会議所会頭、札商特別顧問の横山末雄、青木雅典の両氏、大内全道経連会長、札幌市元市長の桂信雄氏と桂市政を助役として支えた杉本拓、魚住昌也の2氏も出席した。
髙橋知事は、「新幹線札幌延伸はとりあえず5年短縮してもらい、奈々ちゃんが新市長になったら一緒にさらに短縮を要請して冬季オリンピックを呼んでくるまでに開業するのが『はるみの本当の夢』。人口減少問題なども札幌市と連携してしっかりやっていかなければならない。奈々ちゃんの若いパワーに期待して次の市政を任せることを実現していきたい。年内に大嵐(総選挙)があるようですが、しっかりと活躍、応援させていただく」と自らの出馬宣言のような挨拶をした。
(写真は、熱気に誘われて自ら出馬宣言のような発言も飛び出た髙橋はるみ知事)
また、本間氏を推薦している札幌商工連盟の高向会長は、「経済を重視している本間さんに期待しているところは大きい。教育、新幹線の工期短縮など仕事はたくさんあるが、本間さんを応援する人が東京にも大勢いる。彼女の実行力の背景にそれがある。経済界も本間さんに頑張ってもらうためこれから一緒に(市長選に向けて)やっていきたい」と立候補を表明している札幌市前副市長の秋元克広氏支援と経済界分裂が確実視されている中で本間氏支援を強くアピールした。
自民党札連会長の町村氏は、「今度の衆院選に勝ってその勢いで奈々さんを市長に押し上げるのは誠に良いタイミングだ」と述べうえで、「この12年間、今の市長で札幌市が良くなったことが一つでもありますか。残念ながら何一つ札幌市が良くなったことはない。悪くなったことはいっぱいあって一番わかりやすいのは除雪・排雪問題。市長の意向でどんどん(予算を)削っている。札幌市は劣化している。その市長の下で働いた人が市長選に出ると言うが期待はできない。市政を変えるためにはトップに立つ人は本間さんでなければならない。そうしないと札幌市はまた長らく停滞が続いてしまう」と上田文雄市政に対する敵対心をあらわにして会場に呼びかけた。
最後に本間氏が政策と決意を30分間に亘って訴えた。本間氏は、女性が安心して子どもを産み育てられる優しい札幌、若者や女性が輝き希望をもって暮らせる力強い札幌、高齢者や障害者、弱者も安心して健やかに暮らせる心通う札幌の3つを形作っていく7つの政策を明らかにし、「2人目の子どもから保育料、医療費の無料化のほか、子育てする母親や妊婦のために公共交通機関が無料になる子育てパス、マタニティパスを発行して健診や街中に足を運んでもらうようにしたい」と語った。
そのほかにも、子育てに理解のある育メンならぬ管理職の育ボスを増やしていくことや除排雪の徹底、観光客を呼び込む観光振興策、学力向上のための土曜授業復活、全国学力テストの公表などを訴えた。市役所改革については、「市役所職員は優秀なのに生かし切れていない、風通しの良い職場になっているのか、能力発揮できているのか。職員が市民のために真に働ける組織に生まれ変わらせたい」と強調していた。
公明党からは、札幌市議で道本部副代表の涌井国夫氏が出席した。セミナーが始まる前には会場入り口で、自民党札幌市議団24人のほぼ全員が参加者を迎えるなど本間氏支援で結束していることをパフォーマンスで訴え、「他候補とは運動量でも結束力、政策でも負けない。国会議員、道議、市議のオール札幌体制で頑張る」と札連会長代行の鈴木健雄市議は語った。
(写真は、最後を締めくくったガンバロウコール)