北海道は、企業版ふるさと納税を活用した道内の水資源保全の取り組みを今年度から立ち上げたが、その第1号プロジェクトがスタートした。北洋銀行(本店・札幌市中央区)とセコマ(本社・同)が支援して京極町の植樹や遊歩道整備に充てるもの。4日、道庁で鈴木直道知事や京極町の梅田禎氏町長、両社トップが集まりプロジェクトの発足式を行った。
(写真は、「北海道の水資源を未来につなぐ価値共創プロジェクト」の発足式。左から、鈴木直道・同知事、安田光春・北洋銀行頭取、丸谷智保・セコマ会長、梅田禎氏・京極町長=上の写真は北洋銀提供、下の写真はセコマ提供)

 道は、北海道水資源保全条例により指定された水資源保全地域(62市町村、179地域)の公有地化や活用を促進するため、今年度から企業版ふるさと納税による支援を受けて、市町村への財政支援を拡充する「北海道の水資源を未来につなぐ価値共創プロジェクト」を立ち上げている。

 今回、この第1号プロジェクトとして京極町への財政支援拡充を決めた。同町には、環境省選定の名水百選に選ばれている「羊蹄のふきだし湧水」をはじめ数多くの湧水や地下水があり、1日8万tの湧水が噴き出す「名水の郷」として知られる。支援対象事業は、同町内での植樹や遊歩道整備で、事業費は約1800万円。北洋銀とセコマがそれぞれ100万円の支援を行う。

 この日、道庁知事会議室に鈴木知事や梅田町長、北洋銀の安田光春頭取、セコマの丸谷智保会長が集まった。鈴木知事は、「企業版ふるさと納税の支援によって事業展開を進めさせていただくが、道内外から広く応援してもらい本道の活性化につなげたい」と挨拶した。また、安田頭取は、「水資源を守り未来に引き継ぐことは、地域の持続的成長と社会的課題に向けた取り組み。当行の経営理念と合致しているためプロジェクトに協力させてもらった」と話した。
 セコマの丸谷会長は、「京極の名水は北海道の財産であり貴重な資源。セコマグループでもミネラルウォーターや氷、ドリップコーヒーの抽出にも活用している。地域の資源を守る取り組みに賛同するとともにこのプロジェクトに参加できることを光栄に思う」と述べた。

 


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