道知事選公開討論会、鈴木直道氏VS石川知裕氏2人の「逆境バネパワー」が全開

道政

 北海道新聞社主催による道知事選公開討論会が13日、札幌市中央区の道新ホールで行われた。650席の8割程度が埋まり、候補予定者の鈴木直道前夕張市長(38)と石川知裕元衆議(45)が三浦辰治道新報道センター長の司会で討論、参加者は熱心に耳を傾けた。(写真は、道知事選公開討論会)

 北海道の現状認識とビジョンについて問われ、石川氏は「人口減少が国内で最も早いスピードで進んでおり、欧州の一国に相当する規模と人口の北海道は、独立の気概を持って皆でつくり上げていくことが必要。179市町村で『北海道経営会議』を創設し“道庁スルー”の状態から脱し、国と市町村の事務局機能を持って自治をつくり上げていく。また『支え合いマップ』を作成して高齢者や介護が必要な人をケアしていく体制を導入したい」と話した。

 鈴木氏は、「人口減少と人手不足の状況を打破するため、女性や高齢者、外国人人材の活用とともに若者が暮らしたいと思うようにして移住定住も促進することが必要。179市町村を磨き上げてすべての地域が輝き、住み続けたいと思うような道政の舵取りをしたい」と述べた。

 4期16年の髙橋はるみ道政の評価について、「国土の22%を占める北海道の舵取りは重責で、4期16年に敬意を表したい。高橋道政を礎に新たな発想で重要課題の解決に努めたい」(鈴木氏)、「16年間の道政運営を労いたい。手堅い行政手腕で失政もなかったが、JR問題、IR(統合型リゾート)問題などについて大きな決断をせず、将来ビジョンも欠けていた」(石川氏)と対象的な見解だった。

 JR問題について問われると、鈴木氏は、「空港民営化や北海道新幹線札幌延伸など道民目線で全道の公共交通の再編を進めていくべきだ」とし、石川氏は「あらゆる努力を尽くして知恵を絞りたい」と方向性を述べるにとどめ、具体論には踏み込まなかった。

 IR問題は見解が分かれた。石川氏は「カジノは北海道の経済発展に相応しくない。北海道は極東の宝箱。自然を生かして観光振興をすべき」、鈴木氏は「IRは経済効果が期待できるが、ギャンブル依存症など社会的影響もあり、プラスとマイナスの面を検討して道民目線で早期に判断していく」と語った。

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