道の特別職人事で高橋教一教育長(62)が留任した背景や公営企業管理者に成田一憲総合政策部長(59)が就任した理由が明らかになってきた。高橋教育長は知事選の以前には勇退観測が出ていたが、高橋はるみ知事が圧勝した後に、留任が決定的になった。当初、教育長就任が有力とされていた成田氏は特別職で唯一空きになる公営企業管理者に就任することになったが、成田氏には特命とも言える“仕事”が付加されるという。

 

高橋教一教育長は就任2年で、知事選前の3月ころには6月の特別職人事で退くと見られていた。しかし、4月10日の知事選で高橋はるみ知事が圧勝すると勇退説は急速に萎んだ。

 

その背景には、知事選や道議選で民主党の退潮傾向がハッキリしてきたために北教組対策をさらに進めていくということがあるが、それ以上に留任を決定的にしたのは、教育庁の組織改革があると言われている。

 

道庁関係者によると、「教育庁には文化やスポーツを担当する局があるが、全国的に見るとこうした文化やスポーツの担当部署を知事部局に一括化する傾向がある。道もその方向を模索・具体化するのではないか」

 

つまり、知事部局と教育庁で重なる担当部門を一本化するために、高橋教育長の続投が望ましいと知事周辺が判断したと見られる。

 

その流れで、道立近代美術館の管轄を教育庁から知事部局に移管することも想定されているという。

 

武内良雄公営企業管理者(60)の後任に就く成田一憲総合政策部長(59)は、特別職ポストで唯一空きの出るこのポストで処遇される巡り合わせになったが、これまでの公営企業管理者にはなかった特命とも言える仕事がオンされる見通し。

 

その仕事とは、国際分野。とりわけ東日本大震災以降落ち込んでいる道内へのインバウント(外国人観光客)対策。成田氏は外務省に出向していた時期もありカナダ大使館勤務の経験もある。また、道庁次長級の時には観光を担当。「今、インバウンドで求められているのは即効性のある誘致策。長期的視点というよりも『今、すぐに』の対策が必要。瞬発力が要求される仕事だろう」と道庁関係者。

 

副知事で観光を担当しているのは高原陽二氏(61)。高原氏は震災後に落ち込んでいるインバウド誘致に精力的に取り組んでおり、今後『高原―成田』の連携で即効性のある誘致策が強化されそう。

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