マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2025年10回目は、東区北30条東1丁目の旧「NX機工札幌支店」。(写真は、解体工事が進んでいる旧「NX機工札幌支店」)
旧石狩街道(東1丁目通)沿いにある札幌運輸支局と「ローソン札幌北30条東店」に挟まれた場所にあるのが、旧NX機工(旧日通機工、本社・札幌市北区、NX商事=本社・東京都港区=100%出資子会社)の札幌支店。昭和30年代に建てられた工場は、かまぼこ型をした昭和感の漂う工場だった。ここでは、建設荷役機械や特殊車両の整備などが行われてきたが、2025年4月、西区発寒12条14丁目に新建屋が竣工、北区にあった本社と北30条東1丁目のこの地にあった札幌支店が移転し、旧札幌支店は、2025年5月7日から解体工事に入った。
土地所有者は日本通運(本社・東京都千代田区)。解体の注文者は、日本通運札幌支店(札幌市北区)、解体業者はNX商事札幌支店(同)とナカノフドー建設(本社・東京都千代田区)。解体工事は2025年10月31日まで続く。土地は、旧石狩街道と創成川通に面しており、面積は約3455坪(1万1402・09㎡)と広い。日本通運は、基本的に土地を売却しないため、解体後は、土地を賃貸して利活用を模索するとみられる。