1000億円プロジェクト、隈研吾氏デザイン監修の高さ185m「大通西4南地区市街地再開発事業」が始動

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 札幌の大通公園に面した北海道銀行本店跡地や旧札幌銀行本店跡地などを利用した「大通西4南地区第一種市街地再開発事業」が、いよいよスタートする。2024年7月30日に、札幌市長から認可を受けたことから同年8月2日、同地区市街地再開発組合(理事長・土本清幸平和不動産社長)が設立され、再開発に向けて具体的に動き始めた。(画像は、「大通西4南地区第一種市街地再開発事業」で計画されている建物の外観イメージパース)

「大通西4南地区第一種市街地再開発事業」は、道銀本店ビルなどを所有している平和不動産や平和不動産プロパティマネジメント、東京証券会館、北洋銀行、札幌市が、地権者として組合員になっている。再開発の事業地区は、大通公園を含む約2・1ha。そのうちの旧道銀本店ビルなど約5030㎡の敷地を利用して、地下3階、地上36階、高さ約185mの商業、ホテルなどの複合高層ビルを建設する。地上は鉄骨造、地下は鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、コンクリート造で、中間免震構造を採用する。延べ床面積は約9万9600㎡。

 低層部(地下1階~5階)には、大通と札幌駅前通、地下鉄東西線と南北線に面して商業機能を配置、交点には、アトリウムを設けて「サッポロ広場」の魅力向上と歩行者ネットワークを強化する。中層部(7階~26階)には、この施設の中心機能となるオフィスを配置、高層部(27階~35階)には、国際水準のラグジュアリーホテルを導入する。景観に配慮して、低層部は、基壇形状として30~40mの高さにすることで、札幌駅前通や大通に沿った街並みの調和を図る。低層部の屋上には、屋外テラスを配置、大通公園との一体感を創出する。

 高層部は、敷地境界からセットバック、圧迫感の低減、大通公園への日影を確保する。地下には、大通以南の新たなエネルギーネットワーク構築を見据えて、地域冷暖房プラントを整備、アトリウムの地下1階~2階に帰宅困難者の受け入れスペース、3階には、防災備蓄倉庫も確保する。施設の基本設計は三菱地所設計、デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所、施工を含めた特定業務代行は大成建設。2024年秋から既存建物の解体を始め、2025年8月着工、2028年9月竣工予定。工事費は約990億円を予定しており、総事業費は約1080億円になる。

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