北海道アセットマネジメントの設立から1年半、当局の認可などを経て、昨年12月に北海道リート投資法人が設立され、北海道アセットマネジメントを通じて資産を取得、今年2月から運用を開始した。資産規模は80億円。札幌市内の商業施設3棟、賃貸マンション2棟、オフィスビル1棟を既存所有者から取得し、費用は機関投資家の投資資金と銀行借り入れの半々で対応した。
濱野社長は、「利回りは4%を上回るだろう。今後、安定的に成長していくため年に1回、新たに物件を取得し、目標として3年後に資産規模を250億円にしたい」と話し、今後は、札幌以外の旭川、帯広、函館などの中核都市でも物件を取得していく考えだ。
既存の不動産だけでなく、新規投資にもリートが活用できる。「例えば、建て替えに50億円が必要なら、金融機関の借り入れを半分にして北海道リートに予定建物の半分を売却すれば、投資額は半分で済む。これで金融機関への返済が容易になり、次の投資も可能になる。北海道リートが半分の所有権を持ったとしても、ビル名に『北海道リート』と付ける必要はありません」と濱野氏。
前出の特定企業の子会社的な立ち位置ではないフラットな組織のため、自治体の所有する不動産の活用などについても、相談業務を行なうことができる。北海道アセットマネジメントは、札幌市、名寄市と連携協定を締結しており、自治体不動産の有効活用に道を開いている。
札幌オリパラ開催は消えたが、北海道ではラピダス、GXに加え、再開発計画が目白押し。とりわけ、GXに関しては道外、海外の投資家が注目しており、「洋上風力発電や地熱発電などグリーンエネルギーの流動化も候補になり得る。北海道らしさを強調したリート展開の可能性も探っていきたい」と濱野氏。
北海道アセットマネジメントには現在、11人の専門人材が在籍する。「北海道への思いを熱く持っている人たちばかりで、今後もそれを条件に採用を増やしていきたい」と濱野氏は話している。(北方ジャーナル連携記事)