マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2023年の13回目は、中央区南3条西2丁目の「アガシャビル」と「BROOKビル」。(写真は、解体工事が進んでいる「アガシャビル」と「BROOKビル」)

 狸小路商店街の一本南側の南3条通に面して建っている「アガシャビル」と「BROOKビル」。飲食店や美容室などが入る4階建ての2つの雑居ビルは、スパ・サウナ・カプセルホテルの「ニコーリフレ」と「ホテルファラオ」に挟まれており、目的がなければ通り過ぎてしまうほど目立たないビルだ。この地区には、こうした雑居ビルが数多く存在していたが、今ではこうしたビルを探すのも難しくなってきた。

 西側の「アガシャビル」は平成の初め頃に建設され、「BROOKビル」は平成の半ばに建設されたようだ。土地所有者は、「アガシャビル」は個人、「BROOKビル」はニコー(札幌市中央区)。建物の解体工事の発注者は、不動産賃貸業のビラ・コーポレーション(東京都目黒区)。同社は、北海道内に13ヵ所の不動産物件を所有している。

 解体工事は西武建設運輸(函館市)が行っており、工事期間は2023年9月1日~同年12月20日まで。2つの土地を合わせても約52坪(172・73㎡)と大きくはない。大型再開発ばかりが目に付く大通・ススキノ地区で、この規模の跡地開発も街角の印象に影響を与えるため見逃せない。どんな建物に生まれ変わるのかウォッチしておきたい。


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