マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2023年の9回目は、中央区南2条西4丁目の「ダイビルPIVOT」。
（写真は、解体工事が始まった「ダイビルPIVOT」）
1972年の札幌オリンピック開催を控え、札幌の街並みが大きく変わろうとしていた1969年に「PIVOT」の前身となる「中心街デパート」が開業した。中心街ビル（札幌市中央区）が建設したビルで、1973年にはダイエーの北海道1号店が入り、その後の道内展開のスタート地点になった。1993年になると、ダイエーが撤退、1995年9月に、書籍、音楽、雑貨、ファッションの「PIVOT」に生まれ変わった。
2019年11月、大阪の老舗オフィス・商業施設賃貸業のダイビル（本社・大阪市北区）が、中心街ビルから「PIVOT」の土地建物を取得、合わせて隣接する「ペンタグラムビル」、「桂和MTビル」もそれぞれ取得した。施設名称はそれぞれ「ダイビルPIVOT」、「ダイビルPIVOT西館」、「ダイビルPIVOT南館」に変わった。「PIVOT」誕生から27年、「中心街デパート」から数えて54年の今年5月16日、「PIVOT」は閉館した。
それから、2ヵ月が経過し、「ダイビルPIVOT」の解体工事が始まった。建物は地下3階、地上9階建て、延べ床面積約6296坪（2万814㎡）。解体の注文者はダイビル、解体の元請は大林組（本社・東京都港区）札幌支店（札幌市中央区）。解体期間は2023年6月1日から2024年5月31日まで。
北側に隣接していた「4丁目プラザ」は、一足早く2022年1月31日に閉館、解体され、オフィス・商業の複合ビル建設が始まった。2024年夏には、この地にも新しいビルの建設が始まる。
