マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の48回目は、厚別区厚別東4条3丁目の旧「記念塔病院」。(写真は、解体工事が始まった旧「記念塔病院」)

 旧「記念塔病院」は、国道12号線沿いにあって、近くにある「百年記念塔」から引用した病院名が特徴だった。1982年に個人病院として開院。開院当初は、周辺に大きな医療施設がなかったため、急性期医療の基幹病院として役割を果たしてきた。2000年に慢性期主体の病床名に転換し、2005年に医療法人になった。2006年からは全館療養型病床の病院として運営を始めた。

 開院から40年の節目に当たる今年7月、大和ハウス工業(本社・札幌市北区)などが進める新さっぽろ駅周辺大規模複合開発の一貫として、I街区に完成した医療施設4棟の一つに移転、名称を「交雄会新さっぽろ病院」に名称も変更した。

 移転から5ヵ月、旧「記念塔病院」の解体工事が始まった。注文者は、社会医療法人交雄会メディカル(札幌市厚別区)、解体業者はヨシカタ(同市西区)、北央コンクリート解体(同市東区)、丸幸道央仮設(同市北区)。解体は2023年3月末まで続く。土地は2000坪を超える規模。

 周辺には、飲食・商業施設が点在している。商業施設は、「DCM厚別東店」、「ダイソー厚別東店」、「スポーツデポ厚別東店」などで、食品スーパーは周辺に立地していない。一部、食品スーパーが出店に興味を示しているとされ、跡地利用に関心が集まっている。
※2022年12月26日記事一部訂正しました。20005年→2005年。


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