マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の39回目は、豊平区月寒中央通2丁目の旧「イーグルパーク月寒店」。(写真は、解体工事が始まった旧「イーグルパーク月寒店」)
国道36号線の月寒中央通2丁目から美園3条6丁目までは緩やかな下り坂になっている。その中間付近に建っていた旧パチンコ店舗の解体工事が始まっている。この建物は、1995年に帯広のパチンコホール経営、オーテミがテミス札幌としてスタートさせた。オーテミはその後、経営破綻、店舗は2003年6月に正栄プロジェクト(本社・札幌市中央区)が引き継ぎ、イーグルパーク月寒店として運営を継続。2016年4月には、合田観光商事(同・同)が運営を承継、イーグルパーク月寒店の名称を変えずに運営を続けた。2018年10月21日に同店は閉店。合田観光商事は、同年12月29日にR36ひまわりとして再オープンさせた。しかし、1年後の2019年12月30日に閉店。その後は、以前から2階で営業していたカラオケマッシュ月寒店のみが営業していたが、同店も2022年8月21日で閉店した。
土地建物の登記を調べてみると、所有者は林興業(札幌市白石区)だったが、今年9月に明和住建(同市北区)が取得していることが分かった。土地面積は約2430坪で金融機関3者(2信用組合、1信用金庫)による16億2000万円の根抵当権が設定されている。解体工事は、9月下旬から始まっており、2023年3月末で解体が終了する。解体業者はシンヨウ(札幌市厚別区)。解体後に土地の盛土工事を同年4月に開始、8~9月頃までに土地を平坦にする。明和住建によると、「国道沿いのまとまった土地のため、病院などの需要が見込める」として売却する方向だ。