マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の37回目は、東区北35条東1丁目の「北海道いすゞ自動車札幌西支店車輌センター」。(写真は、解体工事が進んでいる「北海道いすゞ自動車札幌西支店車輌センター」)
旧石狩街道を北に向かい、札樽道の高架を通ってしばらく行くと、左手に見えてくるのが北海道いすゞ自動車札幌西支店車輌センター(東区北35条東1丁目4-1)。旧石狩街道沿いには、札幌陸運支局(北28条東1丁目)があることもあって、自動車関連の販売店や整備工場などが多い。この車輌センターは、1961年頃に建設された建物で、今ではあまり見かけなくなったかまぼこ型をしている。
ところどころに錆がある薄い緑色をした外観と幅25m、長さは50mを超える建物は、60年という年月を感じさせる古き良き時代の名残のように建っていた。その車輌センターの解体工事が始まったのは、今年8月16日。工事の発注者は、土地建物所有者の北海道いすゞ自動車(本社・札幌市白石区)、工事の元請企業は公清企業(同市中央区)。現在は、カマボコ型の屋根は全て撤去され、古い鉄骨の骨組みが一部残るまで解体が進んでいる。工事完了は9月30日となっている。
北海道いすゞ自動車は、2021年2月に札幌東支店と苗穂サービスセンターを白石区本通20丁目北1-68に移転、本社を設置するとともに支店名を札幌支店とし、サービスセンター名も変更した。解体が進んでいる車輌センターの敷地は、約1337坪(4412・90㎡)。まとまった土地のため、解体後の利活用に関心が集まっている。