マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の27回目は、中央区南30条西10丁目の「日本郵政札幌南30条社宅」。
(写真は、解体工事が進んでいる「札幌南30条郵政宿舎」)
石山通と福住・桑園通の交差点から北東方向にあるのが、「札幌南30条郵政宿舎」。札幌中央区の碁盤の目の縦の通りが南に延びて、豊平川にぶつかる辺りにある。約2000坪を超える敷地の中に、社宅が3棟建っていたが、現在は一番南の1棟を残すだけとなっている。その一棟も写真のようにほぼ解体され、コンクリートの古びた躯体がむき出しになっている。
解体工事は、2021年11月中旬から始まっている。注文者は日本郵便(本社・東京都千代田区)、解体業者は、小川建設(同・同都新宿区)。工期は2022年7月15日となっており、夏頃には更地が誕生しそうだ。日本郵便は、札幌市中央区南7条西18丁目の「札幌南7条郵政宿舎」の解体工事も行っている。こちらは敷地面積は約300坪、1棟が建っており同じく小川建設が解体工事を担当、工期は2021年11月中旬から2022年8月19日までとなっている。
日本郵政グループは、収益拡大と経営基盤の安定化を図るため、不動産事業を第4の柱として成長させていくことにしている。同グループは札幌中心部に、閉鎖した「北海道郵政研修センター」(札幌市中央区南20条西15丁目1-1)もそのまま所有し続けており、「札幌南30条郵政宿舎」、「札幌南7条郵政宿舎」と共に今後の不動産活用策が注目されている。