青空に映える真新しいビルが、札幌中心部にお目見えした。南2西2丁目の旧富樫ビル跡に建てられたオフィス・物販の複合ビル。ところどころアクセントが付いた透き通ったガラス壁面が、洗練された雰囲気を街に吹き込む。竣工まで後1ヵ月余り、人々が行き交い、新しいビルの躍動が始まる。(写真は、外観を現した南2西2のビル)
かつてタワーレコードやライブハウスも入っていた札幌サブカルチャー発信地でもあった旧富樫ビルが解体されたのは、2020年9月。中心部で50年強にわたって独特の存在感を放っていたビルが役割を終えた。それに代わる新しい建物の建設に向けて胎動が始まったのは、同年12月。建設は順調に進み、1年半後の2022年4月の初め頃には建築用の足場も撤去され、真新しいビルの外観が現れた。
敷地面積約247坪(約817㎡)、建築面積約183坪(605㎡)、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造の地下2階、地上13階建て、延べ床面積は約2510坪(8284㎡)、建物の高さは56・10m。建築主は、特定目的会社ノース・マウンテン(東京都港区)、設計、監理は浅井謙建築研究所(同)、施工は岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)。建物の周りには、エゾ山桜などを植樹、オープンスペースにはベンチを設置して建物利用者や地域住民も楽しめるように工夫するという。地下の市営駐輪場とも直結している。
外壁に使われているアルミカーテンウォールのガラス面が、透き通ったような印象を一層引き立てている。街ゆく人たちが足を止め、ビルを見上げる姿も多く見られるようになった。このビルには、旧富樫ビルに入っていた「ダイソー」も戻ってくる。竣工まで残り1ヵ月、薫風に合わせて中心部に軽やかな風が吹く。