札幌市の旧白石区役所跡地公募提案審査委員会(委員長・鈴木克典北星学園大学経済学部経営情報学科教授)は、白石区本郷通3丁目北1-1の旧白石区役所跡地の最優秀提案者に社会医療法人北楡会(本部・札幌市白石区)・アインホールディングス(本社・同)の共同事業者を選んだ。売却価格は20億3000万円。(写真は、旧白石区役所跡地)
旧白石区役所跡地約5363坪(1万7697・90㎡)の公募提案型売却では、区役所として利用されていたことから、地域の交流促進に貢献することや地域住民が気軽に足を運べるような空間づくりを条件として公募を募り、応募予定登録者3者のうち2者(うち1者は共同事業者)から申し込みがあった。今年1月に応募種類を受け付け、その後2回の審査委員会を経て最優秀提案者を決定した。
最優秀提案者の北楡会とアインHDの共同事業者は、合計点数100点満点中86点(次点提案者は74・80点)。次点提案者の売却価格は20億8000万円だったが、地域への配慮や貢献、全市的な貢献で点数が開いた。北雄会とアインHDの提案は、「健幸」(様々な世代が地域の中で健康で安心して暮らすこと)をコンセプトとしており、高度医療・地域医療の提供、高齢者のフレイル(虚弱、脆弱)予防、子育て環境づくりのほか、地域交流促進、災害時活用など社会課題の解決や市民の利便性向上に寄与する内容と評価した。
北楡会とアインHDは、病院、「健幸」サポート施設として建築面積約2467坪(8143・39㎡)を使って鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造の地上7階建ての建物を建設する。延べ床面積は約9523坪(3万1427・19㎡)。病院、調剤薬局、カフェ、コンビニエンスストア、保育所、訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所などを設置する。北楡会は、1985年に開院した東札幌6条6丁目の現札幌北楡病院を移転する。開業時期は2027年4月を予定している。なお、売却には市議会の議決を得る必要があるため、市と仮契約を締結、2022年度上期中に市議会の議決を経て本契約を締結する。