札幌市とJR北海道(本社・札幌市中央区)などJR北海道グループ4社は11日、札幌駅に隣接する北5西1・西2地区で再開発を進めるため「札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発準備組合」を設立した。時間貸し駐車場に利用されている札幌市の所有の西1地区とJR北海道グループが所有する商業施設「エスタ」の西2地区を一体的に再開発するもので、竣工は2029年秋を予定。30年度の北海道新幹線札幌開業や札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据えて「世界へつながる“さっぽろ”の新たな顔」に相応しい再開発を行う。(写真は、再開発が行われる北5西1・西2地区。奥のビルは高さ173mのJRタワー)
北5西1地区は、約3666坪(約1万2100㎡)、北5西2地区は約3121坪(約1万300㎡)で、西2丁目線を跨ぐ形で建物を一体的に建設する。新幹線駅舎と北側で繋がる西1地区はJRタワーよりも高い200m級のビルとして高層階にホテルゾーン、中層階にオフィスゾーン、低層階は商業ゾーンとする。西2地区は170m級の高さでエスタのテナント等を含めた商業ゾーンのビルとする。
両ビルの1階部分は現在エスタ1階にあるバスターミナルを拡充して整備、西1地区は都市間バス、西2地区は路線バスを中心にする。西2丁目線を跨ぐ2階部分には交通待合交流空間を配置する。また、創成川通を挟んだ東側地区との連携を図るため新幹線駅に東改札口の設置を検討するほか、西1地区の建物と東側を結ぶ歩行者デッキの設置も検討する。
20年度上期までに基本設計を終えて22年度に都市計画決定、23年度上期までに実施設計を行い同年度中に再開発組合に移行して着工、29年秋の全体竣工・供用開始を予定している。11日に発足した再開発準備組合の理事長には吉岡亨・札幌市副市長、副理事長には小山俊幸・JR北海道副社長が就任した。
総工費は1000億円レベルになりそうで市が地権者となる再開発では最大級になり、JR北海道にとってもJRタワーに並ぶ社運を賭けたプロジェクトになる。ホテルや商業施設誘致には市とJRの協調体制が不可欠で、テナント誘致ではJR東日本(本社・東京都渋谷区)の協力体制も必要になってくる。