札幌の中心部に近い北3西18の旧道庁西18丁目別館約1400坪の敷地を手に入れたのは、札幌臨床検査センター(本社・札幌市中央区)だった。4月中旬に実施された北海道の企画提案型一般競争入札で同社は26億円で入札、参加した6者の最高価格で落札した。建物解体費を負担しなければならないが、坪単価は180万円だった。(写真は、旧道庁西18丁目別館)

 旧道庁西18丁目別館(敷地面積約1441坪=4757・58㎡)は、1963年に建設された地下1階、地上4階建て。3年前にホッカイドウ競馬関連部署が撤退してから空き庁舎になっており、土地利用の企画提案を審査した上で、一般競争入札を行う二段階方式による公募売却(最低売却価格9億6226万円)を1月31日に公告。

 4月12日に入札を実施したところ、6者が応札。結果は、最高価格で入札した札幌臨床検査センターが落札したが、他の入札参加者の顔ぶれは多彩だった。地場医薬品卸のほくやく(入札価格25億100万円)、マンションデベロッパーの日本グランデ(同11億1100万円)のほか、流通系ではエヌ・ティ・ティ都市開発(同23億1200万円)、東急不動産・コープさっぽろ(同16億6111万円)、イオン北海道(11億6000万円)が参加した。

 旧道庁西18丁目別館が建っている地域は、イオン桑園店が近いものの、標準的な食品スーパーがなく日常的な買い物が比較的不便な地域。東急不動産と組んだコープさっぽろ、マックスバリュ北海道との合併を控えたイオン北海道、流通系不動産を得意とするエヌ・ティ・ティ都市開発は都心部での商業施設を企画提案したと思われるが、価格面で大きく開いた。都心の賑わいを新たに創出する提案は不発に終わった。
 なお、落札した札幌臨床検査センターは、新本社ビルを建設して、現在、北5西18にある本社を移転する予定。



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