札幌市北区北10条西3丁目で営業していた時計、宝石、貴金属、ギフトなど各種物品販売の「瑞宝舎」が、2018年12月30日に閉店して年が明けた。創業から60年、根強いファンに支えられていたJR札幌駅北口に近い一角に建つ建物は人影もなく、静かに解体を待つのみになっている。(写真は、瑞宝舎の財貨事業部ビルと立体・平面駐車場敷地)
瑞宝舎(ずいほうしゃ)は、1958年3月3日に創業、84年に竣工した5階建て財貨事業部ビルと94年に竣工の6階建て贈貨事業部ビルが仲通りを挟んで建っている。財貨事業部ビルには、宝石、貴金属、時計、眼鏡、文房具、事務用品、カメラ、バッグ、紳士・婦人服、家電、つり具、アウトドア用品、ペット用品、季節用品が並び、贈貨事業部ビルはギフト食品、生鮮食品、ガーデニング、美術工芸品、ギフト小物、仏具・線香、タオル製品、ギフト金物、ギフト洗剤、トロフィー、スポーツ用品、パークゴルフ用品などの売り場だった。
さながらドン・キホーテ店舗のような圧縮陳列と統一性があるのかないのかわからないような商品の品揃えがバラエティー色を放って、根強い人気があった。
2棟の建物と平面駐車場、立体駐車場を備えた敷地は合計すると1千坪を超える。仲通りが通っているとはいえ、駅に近い立地は魅力。登記簿を見ると、18年11月27日付で売買により京阪電鉄不動産(本社・大阪市中央区)に所有権が移転している。土地建物共に瑞宝舎時代から抵当権は設定されていない。
これまで買い物客を集めてきた財貨事業部ビルと贈貨事業部ビルは、間もなく解体工事に入り更地になる。京阪電鉄不動産がマンション用地として跡地開発をするもようで、駅北口はマンション集積が一層進むことになりそう。